一本鍼治療を是非お試しください!

〒114-0014  東京都北区田端1-16-6
                              
JR田端駅北口徒歩5分

お気軽にお問合せください

03-3822-3799

WEB予約後は必ずご確認ください!!詳しくはこちら

友だち追加

このページは私達が皆様にお教えしたい
医療情報の豆知識です。

第1回     【秋の不調について】

第2回 【高齢者は薬に要注意

第3回 【脳疲労はなぜおこる?】

第4回 【デブ菌とヤセ菌】

第5回 【2020年花粉症情報】

第6回 【ウイルスを攻撃するしくみ】

第7回 【コロナ対策に口腔ケア】

第8回 【糖尿病に重症化リスク】 

第9回 【お鼻にも乳酸菌】

第10回 【漢方薬の効果を高める秘訣】

第11回 【熱中症に気を付けよう】

第12回 【マスク頭痛】

第13回 【潰瘍性大腸炎】

第14回 【寒暖差アレルギー】

第15回 【インフルエンザ】

第16回 【プロバイオティクスからバイオジェニックスへ】

第17回 【便秘が低年齢化している】

第18回 【スマホの画面はトイレの便座より汚い?】

第19回 【口腔環境】

第20回 【便秘による肌荒れ】

第21回 【お灸ってどんなもの?】

第22回 【卵アレルギーーの原因は腸内細菌だった!

第23回 【ペットボトル症候群】

第24回 【腸内細菌が下痢を抑制する】

第25回 【座りっぱなしは危険!!】

第26 【のどの違和感、声のつまり】

第27回 【冷えは万病のもと】

第28回 【腸もれ】

      (リーキーガット症候群)

第29回 【脳腸相関】

第30回 【春のメンタル乱れにご注意を】

第31回 【睡眠】

第32回 【カフェイン依存】

第33回 【食中毒の予防】

第34回 【老化は治療できる?】

第35回 【湿布の貼りすぎに注意】

第36回 【腸活(腸内細菌)】

第37回 【コロナ禍で痛風患者増加?】

第38回 【自律神経と免疫

第39回 機能性ディスペプシア

第40回 【冷え性】

第41回 【有酸素運動】

第42回 【ディスプレイ頭痛】

第43回 【理想的な睡眠習慣】

第44回 【脳の働きを助ける食事

45回 【頭のコリ】

第46回 【日焼け(紫外線)】

第47回 【夏のスキンケア】

第48回 【ウォーキングとヨガ】

第49回 【水分補給について】

第50回 【肌荒れを防ぐ生活習慣】

第51回 【瞑想で心と体を整える方法】

秋の不調について

第1回 10月号

秋は快適な気候の印象が強く、健康管理上は特に注意する必要がない季節だと思われることでしょう。

しかしながら、夏から秋、秋から冬への季節の変わり目における気象の変化から体調を崩しがちです。

秋の季節は夏の間に起きた体の不調を回復するとともに厳しい冬を迎え入れるための体の準備期間でもあるため、体を守るしくみである免疫力を高め、健康管理をきちんと行う必要があります。

『秋の不調の原因って?』

近年は、温暖化や都市部のヒートアイランド現象の影響で暑い日が増えています。

暦では立秋(8月8日ころ)から秋分(9月23日ころ)までの間の暑さを「残暑」といいますが、現在は9月はもちろん、本格的に秋を感じはじめる10月上旬すぎになっても最高気温が30C°以上の真夏日が続くことがあり、残暑が厳しくなっています。

朝晩は涼しくなってきても、日中は真夏の暑さが続くことで1日の気温差が大きくなり、体が気温の変化に対応できず、疲労感を感じ、体調を崩しやすくなります。

自律神経には、

       体を緊張させてエネルギーの消費を担う

                               「交感神経」

                                            と

       体を休ませてエネルギーの蓄積を担う

                               「副交感神経」

の2種類があり、それぞれが相反した働きをしています。

秋になり、日中と夜の気温差(寒暖の差)が多い日が続くと、自律神経の働きに乱れが生じて

食欲不振や下痢・便秘、慢性疲労、

抜け毛(夏の紫外線や汗で頭皮に負担がかかる)

などの不調が現れます。

また日中と朝晩の気温差があると体の冷えが起こる原因となります。

体の冷えから体温が低い状態が続くと基礎代謝が低下し、肩こりや腰痛を引き起こし内臓の機能も低下します。

これらの体の不調を「秋バテ」といい、夏の間の一時的な症状ではなく秋の季節になってから現れて長引きます。

そして夏の季節で起こった体の不調や体力の低下を穏やかな秋の季節で回復することなく、厳しい冬に突入して病気にかかりやすくなるのです。

 

自律神経バランスの異常による諸症状

「気圧の低下によりアレルギーが悪化する?」

大型台風は9月から10月にかけて襲来することが多く、雨が降る前や台風が発生すると気圧が低下し、アレルギー性疾患の症状が悪化します。

気圧が低下すると、炎症を引き起こす働きをもつヒスタミンという物質が体の中で過剰に分泌され、これが痛みや痒みの原因になっていると考えられています。

花粉や鼻炎、じんましんといった各種アレルギー性疾患の治療に用いられる「抗ヒスタミン剤」は、体内に発生するヒスタミンの作用を軽減する薬剤として知られています。

 

「どうやって治す?」

秋バテを感じている方や慢性的に複数の不調を感じている方にはハリ治療が有効です

ハリ治療は体のコリをほぐし、自律神経のバランスを整える作用があります。さらに睡眠の質を良くし自己治癒力を高めます。

アレルギーに対しては薬に頼らず、腸内環境を整え免疫機能が正常化することで症状を抑える期待があります。→「乳酸菌生成エキス」

 

日常生活では、軽いストレッチやウォーキング、そしてできれば毎日湯船に浸かりましょう。

体は自分が思ってる以上に冷えています。血流を良くし体温を保つと体の機能が正常に働き病気にかかりにくくなります。

以上、秋の不調についてでした。

まずはストレッチや湯船に毎日入るなどセルフケアから始めてはいかがでしょうか?

それでも変化がなければぜひ当院へご相談ください!

今後も皆様へのお役立ち情報を随時更新していきますので何卒よろしくお願い致します!

 

 

高齢者は薬に要注意

第2回 11月号

薬の効果や副作用には個人差がありますので服用する際には慎重さが求められます。

高齢になればなるほど持病が増えて、飲み薬の種類や数が増える方が多くいます。

治療中の65~75歳以上の65%が3種類以上の薬を服用しています。

さらに体の不調が薬の副作用だと気づかずにその症状を治そうと病院へ通い新たに薬が処方されている例も少なくありません。

 

【18種類の薬を服用】

有料老人ホームに暮らす女性は認知症や脳梗塞、過活動膀胱を患い3ヶ所の医療機関にかかっていました。その薬の数は「18種類」に達していました。

女性はほとんど寝たきりでしたが老人ホームの薬剤師の提案で1年かけて薬を10種類まで減らすとベッドから起き上がれるようになり、食事も他の人と一緒に食べれるようになり部屋の掃除も出来るようになりました。

※減らした薬⇒痛み止めと消化異常と気管支炎の薬

【複数の薬剤を使用した場合の研究】

複数の薬剤を使用した場合に問題になるのは「薬物の相互作用」です。

例えば、AとBを併用すると、どちらかの作用が増強する。AとCを併用すると、どちらかの作用が減弱するといったことです。

実はこの研究は2剤同時でしか行われていません。

3剤以上の場合(AとBとCを一緒に服用)は研究されていなく、医療者でも副作用の予想は非常に難しいのです。

【高齢になるほど副作用は起きやすくなる】

高齢になるほど肝臓や腎臓の機能が落ち薬物の代謝(分解)や排泄に時間がかかるため薬が効きやすくなります。

<加齢による変化>

・胃と腸管の血流量の減少 約50%

・肝蔵の血流量の減少   約40%

・体内細胞内水分の減少  約10%

・腎臓の血液量の減少   約50%

【高齢になると薬剤の生体内蓄積】が起こりやすくなります。

 

このように、薬の種類や量が増えると体にとって不利益な効果が表れる事があります。

複数の医療機関に通っていると自然に薬が増えてくるので勝手に止めるのではなく、医師または薬剤師に相談をして適切な量、種類になるよう調節する事が大切です。

ですが、痛み止めの薬などは痛みが無ければ中止してもいいと思います。

不安だから痛くなくても飲まれたり、処方されてる分をきっちり飲まれたりする方もいると思うのですが、痛み止めの薬も副作用が起こりえるので痛くない時は飲まない方が体にはよいでしょう。

痛みの治療では鍼治療も有効です。

医学的にも鍼治療で鎮痛作用が有ることが証明されているので、気になる方は受けてみてはいかがですか?

 

脳疲労はなぜおこる?

第3回 12月号 

 
生活習慣病やうつ、認知症の起因となる「脳疲労」
脳疲労には、2つの大きな要因があります。
 
❶「過剰な情報社会」
 
現代社会は仕事や人間関係、パソコン、スマホなど多くの情報にあふれ、
1日の情報量は江戸時代の1年分(約360倍)
にもなると言われています。
 
その情報を受け止めている脳は情報に触れるたびに活動し脳疲労を起こします。
 
しかも脳は疲労を感じにくい器官なので脳疲労が起こっている事に気づかずにパソコンやスマホを何時間も続けてしまい疲労が蓄積されてしまいます。
 
❷「理性と本能のバランスの乱れ」
 
脳には「理性、知性を司る大脳新皮質」と「感情、本能を司る大脳辺縁系(旧皮質)」があり、大脳新皮質はあらゆる動物の中で人間が断トツに発達しました。
 
通常は、新皮質と旧皮質が対等に働いて、バランスを取りながら生体をうまくコントロールします。
 
ところが、生活する上でどうしてもそのバランスを崩さなければいけない場面というのが人それぞれあります。
 
例えば、「明日までにこの仕事を仕上げなければならない」本能ではやりたくない、帰りたい、と思いますが、理性で本能を抑えて残業し仕事をします。
 
これは脳にとって多大なストレスになります。毎日が残業で、それが何ヶ月も続くと本能が抑圧されバランスが崩れたままになり脳が疲弊してしまいます。
 
この2つの要因が重なると「脳疲労」が重症化しやすくなります。
 
仕事を終えてヘトヘトで家に帰る(脳の過度な情報処理)、
眠たい、休みたいけど食事の支度や掃除洗濯をしないといけない(理性で本能を抑圧)。
 
そんな毎日を過ごしていると、ふと何もかもが嫌になったり、毎日が満足できず夜更かししたり、ストレス解消として暴飲暴食をしたりします。この状態が「脳疲労」です。
 
気持ちの乱れは心を、生活の乱れは身体を健康から遠ざけていきます。
 

●脳疲労の3つのサイン

1.睡眠の質が悪い

寝つきが悪い」、「夜中に目が覚める」、「起きても疲れがとれない」など

睡眠の質が悪く、睡眠時間が短くなることがあります。

2.便秘、下痢をする

「脳疲労」では自律神経が交感神経優位になりやすく、すると腸の動きが異常になります。その症状が便秘であり下痢にもなります。

健康な大腸は「ぜん動運動」によりギュッと強く縮んでは緩む動きを繰り返し便をスムーズに送り出しますが、ぜん動運動が弱いと便を送り出せなくなる「弛緩性便秘」、ぜん動運動が強くなりすぎてしまうと腸が痙攣を起こす「痙攣性便秘」、便が直腸にたどり着いても便意が起こらない「直腸性便秘」などがあります。

3.過食、食欲不振となる

「イライラして必要以上に食べてしまう」「食べ始めると止まらない」「お酒の量が増えた」「食欲がわかない」「食事をおいしく感じない」など過食や食欲不振になっている人はストレス過多で脳疲労を起こしている可能性が非常に高いです。

長くなりましたが脳疲労について簡単に説明させて頂きました。

自分に当てはまる所はありましたか?ひとつでも当てはまることがあれば、それは脳疲労が原因かもしれません。

脳疲労を解消するためには、自分が大好きな趣味をしたり、大好きな食べ物を食べたりお酒を飲んだり、一般的に身体に悪いと言われていることでも我慢せずに自分の本能、欲望に従うことです。

1つ好きなことをしたら1つ身体にいいこと(ウォーキングや生野菜スムージーを作って飲むなどなんでもよい)をするなどルールを作ってバランス良く過ごせたらとてもいいと思います。

デブ菌とヤセ菌

第4回 1月号

 
 年末年始、なにかと食べる機会が増えますね。気がつくと体重が!?という人は多いと思います。体重を落とす為にダイエットを初めようとされる方に、今、科学的に注目されているのが腸内細菌です。
 
デブ菌の発見
 
人の腸内には、200種類、100兆個もの腸内細菌がいて、大別すると4つのグループに分けられます。この中に、私たちを太らせる性質を持つ細菌群がいることがわかってきました、「フィルミクテス門」というグループが、「デブ菌」といわれています。
 
他のグループは、「アクチノバクテリア門」は、悪玉菌。そして、「バクテロイデス門」は、「ヤセ菌」といわれています。
 
デブ菌とヤセ菌の違い
 
デブ菌は、糖類や脂肪から大量のエネルギーを作り出す働きがあり、ヤセ菌は食物繊維から肥満や糖尿病を防ぐのに必要な【短鎖脂肪酸】を作り出します。
デブ菌は肥満の促進、ヤセ菌は肥満の抑制というように反対の働きをしています。
 
【短鎖脂肪酸とは】
 
短鎖脂肪酸は、人の体内で次のような働きをしています
 
①脂肪の蓄積を減らし、全身の代謝を活発にして肥満を防ぐ。
②糖尿病を改善するホルモン「インクレチン」を増やす。
③アレルギー反応を抑える「制御性T細胞(Tレグ)」を増やす。
④幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌を促す。
⑤腸のバリア機能を高め、食中毒や炎症、アレルギー、動脈硬化、がんなどの病気を防ぐ。
⑥短鎖脂肪酸がつくられる過程で腸内細菌から水素が発生し、細胞の酸化を防ぐ。
⑦腸管が活動するためのエネルギー源になる。
 
 
なぜ、短鎖脂肪酸が体に脂肪をたまりにくくするのか。
肥満は、脂肪細胞の内部に脂肪が蓄えられ、肥大化することで起こってきます。
 
 
1【脂肪を増やさない】
脂肪細胞には、短鎖脂肪酸を感知するセンサーがついていて、そのセンサーが短鎖脂肪酸を感知すると細胞は栄養分の取り決めをやめ、脂肪が過剰になるのを防ぎます。
 
 
2【食欲を抑制する】
短鎖脂肪酸は、脳に食欲を抑える刺激にもなっています。
 
 
3【脂肪の燃焼を促進する】
交感神経にも、短鎖脂肪酸を感知するセンサーが備わっていて、交感神経が短鎖脂肪酸を感知すると、全身の代謝が活性化して心拍数が増えたり、体温の上昇が起こり脂肪を燃焼させます。
 
 
★ヤセ菌を増やす生活
 
デブ菌とヤセ菌は、トレードオフの関係にあります。デブ菌が増えればヤセ菌が減り、ヤセ菌が増えればデブ菌が減ります。
 
 
両者は常に腸の中で勢力争いをしています。どちらのグループに覇権を握らせるかは、あなた次第です。
 
★ヤセ菌の好む好物を毎日食べる
 
 
ヤセ菌が好むのは、高食物繊維・低脂肪の食事です。
野菜たっぷりで、油が少ない和食がいいですね。
 
 
【善玉菌を増やす】
 
デブ菌とヤセ菌は、日和見菌で、優勢なものになびく性質があります、善玉菌が優勢だとヤセ菌を高めます。反対に、悪玉菌が優勢だとデブ菌が勢力を高めます。
 
 
ダイエットの方法は沢山ありますが、太りにくい体質から変えていくのはいかがですか?
 
 

2020年花粉症情報

第5回 2月号 

日本国民の約4人に1人が花粉症だといわれています。

東京都の調査(2016年)では、スギ花粉症(推定有病率)は、48.8%という結果もあります。

くしゃみ・鼻水・鼻づまりや目のかゆみなどのつらい症状に苦しむ人が多くいます。

 

●2020年の飛びはじめ予想

●春が近づくと気になるのが、スギ花粉です。

スギ花粉の飛散開始は、九州から東北まで例年並みとなりそうです。

2月上旬に九州や四国、東海、関東地方の一部から花粉シーズンがスタートする見込みです。

スギ花粉は、飛散開始と認められる前から、わずかな量が飛び始めます。

2月上旬に飛散開始が予測される地域では、1月のうちから花粉対策を始めるとよいでしょう。

 

1.スギ花粉の飛散開始時期

 

2020年のスギ花粉飛散開始時期

 
●2020年の花粉の飛散量予想●
 
2020年春の花粉飛散予測は、九州から関東甲信まで例年より少ない見込みです。
 
特に、九州は非常に少なく(例年比30%)、
中国や近畿でも非常に少ない所があるでしょう(例年比50%)。
関東甲信は、やや少なく(例年比70%)
東北はおおむね例年並み、北海道はやや多い予想です。
ただし、例年よりも少なくても、
花粉の総飛散量が1cm平方あたり2000個を超えると
例年通りの症状がでるので、注意が必要です。
 

各地域の花粉飛散傾向

 

●花粉症対策で注目の腸内細菌●

アレルギーの発症には、免疫細胞が関係しています。

最近の研究で、アレルギー症状を抑える免疫細胞が発見されました。

その免疫細胞は、Tレグ(制御型免疫細胞)といい、

腸内細菌のバランス整うと活性化することもわかっています。

腸内環境を整えることが花粉症対策のキーポイントです。

 

参考:日本気象協会2020年春の花粉飛散予測(第2報)

 
 

ウイルスを攻撃する仕組み

第6回 3月号 

ウイルスと免疫

私たちの体には、異物を排除する防御機能があります。それが「免疫」です。病原体などが体内に入り込むと、免疫細胞が動きだし病原体を捕まえて殺す抗体や細胞自身が全身を巡ります。

病原体を捕まえるには、見つけ出すためのアンテナが必要です。「免疫」はアンテナの仕組みで「自然免疫」と「獲得免疫」に大別されます。

その仕組みについて、簡単に説明していきます。

・自然免疫

大まかに異物を見つけだして攻撃する免疫細胞のこと、生まれながらにアンテナを持っていて病原となるウイルスや細菌などに共通する目印を認識して攻撃する。軍隊で言えば、前衛部隊のようなもの。

 

獲得免疫

個々の異物をピンポイントで攻撃する免疫細胞のこと、自然免疫で十分に排除出来なかった場合に活動を開始する。異物の特徴を細かく分析して、個別に反応するアンテナを作り出す。

アンテナを作り出すのに、数日の時間がかかる。一度アンテナが出来ると、継続して攻撃する。軍隊で言えば、分析と様々な攻撃を統括した統合軍のようなもの。

  自然免疫 獲得免疫
主な細胞

樹状細胞

マクロファージ

NK細胞

リンパ球

(Tリンパ球、Bリンパ球)

アンテナの特徴 大まかな組織 個別に対応
攻撃開始 速い(数分から数時間) 遅い(数日)
攻撃持続    短い       長い
発生学的に自然免疫は獲得免疫に比べ原始的であり、異物混入時には自然免疫がまず働き、次に獲得免疫が働く。

 

獲得免疫が始動する仕組み

獲得免疫の特徴は、新たにアンテナを作り出さないと、攻撃を開始出来ないことです。

アンテナを作り出す仕組みは次の通りです。

例えば、インフルエンザに感染すると、異物の調査役である【樹上細胞】がウイルスを捕らえて特徴となる目印を探し出します。

次に、その目印をT細胞に伝えると、ウイルスに感染した細胞を攻撃する【キラーT細胞】やウイルスを無力化する抗体を作り出す【B細胞】にアンテナを作るよう命じます。

アンテナを持った免疫細胞は、ピンポイントでウイルスを探し出し、攻撃できるようになります。

【獲得免疫を活性化するには】

最新の研究では、腸内細菌が作り出す乳酸やピルビン酸が、腸の【樹上細胞】を活性化して、病原菌の補足能力をアップさせることがわかっています。

ウイルスに対する研究報告ではありませんが【樹上細胞】の活性化は獲得免疫の活性化につながります。

 

コロナ対策に口腔ケア

第7回 4月号 

 ウィルスと免疫

新型コロナによる感染症の予防で、マスクが世界中で不足しています。市販マスクでは、ウィルスの口の中への侵入は防げないといわれていますが、エ チケットとしても欠かせないのでしょう。

注目なのが、お口の中の健康です。 【お口の中が汚いと感染の危険性が増す】との指摘がされています。

 ●歯周病菌がウィルスを助ける●

ウィルス感染症とは、ウィルスが人の細胞に 侵入することで起こります。コロナウィルス は、口や鼻から体内に入ると鼻の奥や喉の粘 膜に付着します。

ただし、付着しただけでは 手にウィルスがついたのと同じで、感染には なりません。その後に、細胞内に侵入し、増 殖することで、炎症が起こり、風邪の症状が 起こるのです。 なぜ、侵入してしまうのか。

もともと粘膜自 体はウィルスを取り込みやすい場所ですが、 歯周病菌がウィルスを助ける物質を出してい ることがわかりました。

それは、【プロテアーゼ】という酵素で、 【ウィルスが細胞膜と融合】しやすくさせま す。ウィルスは融合すると、細胞内に遺伝子 を送り込み、増殖をスタートさせるのです。

歯肉炎や歯槽膿漏があると、それだけ感染の 危険性が増すということです。

 ●口腔ケアでインフルエンザが10分の1に●

インフルエンザもプロテアーゼによって感染が促進されるため、口腔内をととのえる ことでの感染予防の研究と実践がすすめられています。

口腔ケアが【インフルエンザ発症の低下】につながることが、65歳以上の在宅高齢者 190人を対象とした調査で明らかになっています。

調査では週1回、歯科衛生士による 口腔清掃などをしたグループ98人と、普段のままのグループ92人を半年後に、比較し たところ、普段のままが9人発症したのに対して、ケアグループは1人で、口腔ケアに よって10分の1に減少となりました。

新型コロナウィルスでの結果ではありませんが、 きちんとした口腔ケアが感染予防に有効であることを示しています

【腸内細菌と口腔ケア】

歯周病菌を退治しようとして、抗菌性の高い歯磨き粉やうがい薬を使用すると、より 口腔内の常在菌バランスが崩れる原因になるとの指摘もあります。

口には腸と同じように、善玉菌や悪玉菌、日和見菌など様々な細菌が住みついていま す。そのバランスをととのえることがお口の健康にも重要なのです。

口は、身体の一部です。

口腔内環境を良くするには、全身の健康維持が欠かせません。 実際に、【口と腸の免疫システム】は、つながっています。

腸内細菌をととのえるこ とが口腔ケアの決め手の一つといえます。

糖尿病に重症化リスク

第8回 5月号

 ウィルスと免疫

新型コロナの実態についての調査結果が出てくるようになりました。軽症で済む人、重症化しやすい人などの特徴がわかってきました。

その中で国内で約1000万人がかかっている糖尿病が重症化しやすい基礎疾患の一つにあげられています。

 ●糖尿病は免疫の働きを弱くする●

 

中国の新型コロナ感染者5万6千人をWHOと中国政府が調査した結果、糖尿病患者の致死率は9.2%で基礎疾患のない人の1.4%の6.5倍でした。

中国の致死率は日本と比べて高い(医療体制やウイルス自体の毒性の違い)といわれていますのでこの数値がそのまま日本の状態ということではありませんので注意が必要です。

糖尿病は膵臓からインスリンの分泌が不足したり働きが悪くなったりして血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が上がる病気です。

免疫反応の異常などでインスリンが出なくなる1型と過食などの生活習慣が影響する2型があります。

糖尿病患者は白血球などの免疫に関わる細胞の働きが弱くなっており膀胱炎や肺炎、結核、水虫や歯周病などにかかりやすく、悪化しやすいとわかっています。

神経障害や血行障害を併発して感覚が鈍っていたり栄養が行き渡りにくかったりすることも急速に重症化する原因です。

 

 ●予防するには●

新型コロナを含め感染症を防ぐには手洗いや人混みを避けるといった基本対策はもちろんのこと血糖値を良い状態に保つことや日頃の体調に気を付けることが大切です。

また口の中の細菌による歯周病の悪化や肺炎を避けるには口腔ケアも大切です。歯周病菌がウイルス感染を促進することも指摘されています。

●腸内細菌と血糖値●

腸内細菌が血糖値のコントロールに影響を与えているとの研究報告もでています。腸内細菌が作り出す短鎖脂肪酸がインスリンの分泌を促す「インクレチン」というホルモンを増やしたり脂肪細胞の燃焼を促進して肥満を防いだり脳に働きかけて食欲を抑えることも指摘されています。

腸内細菌を整えることは糖尿病対策だけでなく感染症対策にもおすすめです。

 

お鼻にも乳酸菌

第9回 6月号 

鼻にも腸のような「細菌達がすみ着いている」ことがわかってきました。そして、乳酸菌の鼻スプレーで、鼻の炎症を予防できる可能性も研究されています。

 

●お鼻にも腸内フローラ(お花畑)があった●

人の腸には、乳酸菌などの常在細菌による腸内フローラが存在し、

人の健康や心の状態に大きな影響を与えていることがわかっています。

300人以上の鼻から細菌を採取した実験により、鼻にも有益な細菌達が存在していて、

健康な人の鼻には有益な細菌が多い可能性が高いことがわかりました。

 
慢性副鼻腔炎の症状

●慢性的な副鼻腔炎と乳酸菌●

ベルギーのアントワープ大学で、健康な人100人と慢性副鼻腔炎の患者225人を比較して、その違いを検証しました。

その結果、鼻には平均して30種類の細菌がいることがわかり、さらに「健康な人の鼻には、【抗炎症作用を持つ乳酸菌】が、慢性副鼻腔炎の患者に比べて最大10倍以上も多くいること」が判明しました。

また、研究チームは、鼻にいた乳酸菌を顕微鏡で調べると、鼻の粘膜にくっつきやすい特徴があることもわかりました。

「鼻の皮膚細胞に、アレルギーの原因物質や有害な細菌が近づくのを防ぐ機能」もあると推測しています。

 

●乳酸菌の鼻スプレーを試してみた●

研究チームは、今回見つかった乳酸菌が実際に治療に役立つかを検証してみました。見つけた乳酸菌を含む鼻スプレーを作成し、健康なボランティア20名に1日2回、2週間にわたって鼻に噴霧してもらいました。

すると鼻に乳酸菌が増えていることがわかり「呼吸しやすくなった」という感想もありました。

今回の検証は、参加者が少ないために科学的に効果が証明されたとはいえませんが、「鼻にすむ細菌が健康に影響を与えることの有望な手がかりが得られた」といえます。

 

 

 

        

●腸も鼻も常在菌のバランスが大切●

研究チームのルビア氏は「副鼻腔炎患者に与えられる治療の選択肢は少なく、【主流である抗生物質を用いた治療では耐性菌の発生や副作用の問題】があります。

そこで、有益な細菌を使って鼻の細菌を改善し、症状を改善できるようにしたい」と今後の研究方針を述べています。常在菌のバランスをととのえるには、抗生物質ではなく、細菌をサポートすることが重要ですね。

追記:快適なお鼻環境のために、「乳酸菌生成エキス」スプレーをされている方もいらっしゃいます。

そのままでは、しみるので、水で薄めて使用されています。

 

漢方薬の効果を高める秘訣

第10回 7月号

新型コロナの悪化予防として、新薬の開発や既存薬の活用の研究が世界中で行われています。

そんな中、従来から風邪やインフルエンザで使用されている漢方薬にも注目が集まっています。

●漢方薬は身体の「治る力」に作用する●

 

漢方薬自体には、ウィルスを殺す作用はありません。

ウィルスを攻撃する生体防御機能を向上させます。

身体の「治る力」への作用は主に4つあります。

1.免疫を高め、炎症を抑える。

2.血液の循環を良くする。

3.体内の水分の分布をととのえる。

4.冷えの改善。

 

 ●漢方薬での新型コロナの悪化予防●

 
生体防御機能を高まるためには、日々の生活で、
【快眠・快食・快便の3つの快(ここちよい生活)】
を実践することが大切です。そのうえで、漢方薬を活用します。
 
代表的なものに、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」があります。
生命活動の根源的なエネルギーである「気」が不足している場合に用いられます。
 
「補中益気湯」の「中」は胃腸を指し、「益気」には「気」を増すという意味があります。
 
胃腸の消化・吸収をととのえて「気」を生み出し、生体防御機能を高める薬です。
 
配合されている生薬は、朝鮮人参・ソウジュツ・オウギ・当帰・陳皮・タイソウ・柴胡・甘草・生姜・升麻です。
 

 

●薬効には腸内細菌が関与する●

漢方薬は、服用して用いられるため、どのように分解吸収されて、

機能を発揮するのかが研究されてきました。
 
そこで、わかったことは、そのままでは、【分子が大きいため吸収されにくい】ものがあり、【腸内細菌によって分解されると吸収されやすくなる】ということです。
 
さらに、分解されたほうが、抗炎症作用や肝臓保護作用などが高くなることがわかりました。
 
漢方薬は腸内細菌によって薬効が活性化する薬だったのです。
「補中益気湯」に配合されている、【朝鮮人参や柴胡や甘草】などの薬効成分も【腸内細菌で分解されて活性化】します。
 
日頃から腸内細菌を整えるのは勿論、漢方薬を服用するときも忘れず腸内細菌をケアしてください。
 

気を付けよう今年の熱中症

第11回 8月号

熱中症のピークは、梅雨明け?

熱中症は、真夏ではなく、梅雨明けがピークになります。
気温が上がっていくときに、体温調節がきちんと機能しない、
または、水分補給が足りないことなどが原因です。
 
2019年は、7月24日25日に多くの地域で梅雨明けして、
その後、温度が上がり、1日の救急搬送が1000人を超えました。
 

2018年に熱中症で運ばれた人

運ばれた人と死亡者数(年度別)

●今年ならではの熱中症発症リスク●

新型コロナの対策である「新しい生活様式」も熱中症リスクを高めます。

【外出を控える】

 動かないので体力が低下している。外の暑さに体が慣れていない。

【マスクの装着】

 体内に熱がたまりやすい。喉の渇きに気づきにくい。

これらにより、体温調節や水分補給がうまくできないケースが増えると予測されています。

暑さに備え、日頃から、無理のない範囲で適度な運動をすることや

こまめな水分補給(1日に1.2リットル)が大切です。

大量に汗をかいた時の塩分補給も忘れずに!

 
 

新型コロナ

熱中症(非労作性
年齢 高齢者 高齢者
基礎疾患

心疾患 糖尿病

 脳疾患など

心疾患 糖尿病 

脳疾患 認知症など

症状

発熱 頭痛 

倦怠感 呼吸困難

発熱 頭痛 

嘔吐 呼吸困

●熱中症の治療が、すぐにできないことも!●

熱中症で病院にいっても、

すぐに治療をしてもらえないケースが起こるかもしれません。

それは、熱中症の症状である、発熱・頭痛・倦怠感・呼吸困難などが、

【新型コロナの症状と似ている】ためです。

さらに、どちらの病気もリスクが高い人も似ています。

高齢者であり、心疾患・糖尿病などの基礎疾患がある人です。

診察の際に、どちらの病気なのかの判断ができず、

【PCR検査が必要になる場合がある】からです。

特に、救急車で病院に運ばれる際には、

【PCR検査ができる病院を探すことで時間がかかる】ことが懸念されています。

熱中症による死亡者の8割は、

高齢者なので、基礎疾患のある方は細心の注意をしてください。

 

屋内での予防のポイント

高齢になるほど、暑さを感じにくくなります。

そのため、数日以上かかって徐々に悪化して、発症することが多くあります。

・エアコンや扇風機を使い、換気に努める。

・風通しのいい服装

・こまめな水分補給

そして、体調をととのえるために、

バランスがとれた食事、十分な睡眠、適度な運動をすることがお勧めです。

栄養や水分を吸収するだけでなく、自律神経や免疫機能の要である腸のことも忘れずに。

日頃から【腸内環境をととのえることも大きなキーポイント】です。

 

マスク頭痛

第12回 9月号

マスクをすると頭痛や肩こり、首コリを感じる人が増えていて

「マスク頭痛」

と呼ばれています。

 
一般的に頭痛は、片頭痛と、首や肩のコリなどからくる筋緊張型頭痛がありますが、夏前からこういった症状が急激に増えているようです。
 
その理由として考えられるのがマスクで、通常、マスクは通気性があるので、二酸化炭素が含まれた呼気はマスクの外に出ていきます。ところが、夏場にはマスク内の温度が40度以上になることもあって通常より多くの二酸化炭素を含んだ空気を吸うことになります。
 
二酸化炭素は血管を拡張させる科学的因子なので、これが片頭痛を引き起こす要因になると考えられています。
 
次に問題なのがマスクのゴムによる締め付けでこれが耳回りの筋肉の側頭筋に負担をかけ、筋緊張型頭痛を引き起こしていると考えられています。
 
首コリや肩コリを放置しておくと、それが自律神経に影響を及ぼしめまいや吐き気、倦怠感などの自律神経症状がでやすくなります
 
時々マスクを浮かせて呼吸をしたり、側頭筋のマッサージや肩回りのストレッチなどを行うと良いでしょう。
側頭筋のマッサージ

肩周りのストレッチ

潰瘍性大腸炎

第13回 10月号

今回は、安倍首相の辞職の理由となった「潰瘍性大腸炎」についてご紹介します。

●潰瘍性大腸炎とは?

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜が炎症を起こすことで下痢や腹痛、血の混ざる軟便が多くなる病気です。原因や根本的な治療方法は分かっておらず、国によって医療費が助成される指定難病の一つです。

【国内の患者数は、約22万人(2016年)】といわれています。

国内の患者は、20~30代が最も多く、軟便や腹痛などによってトイレに行く回数が増えることで、社会生活に支障が出やすく、仕事が続けられないこともあります。

●治療法

症状は軽症から重症まで様々で、治療法としては、腸の炎症を抑える飲み薬や注射や点滴による通院治療が一般的です。症状が長引けば大腸がんのリスクも高まります。

炎症を起こす白血球を除去することや大腸を摘出する手術をすることもあります。

【根治することはまだ難しく、薬剤で炎症をコントロール】します。

●腸内細菌をリセットする治療

最新の治療として注目されているのが、「腸内細菌療法」です。潰瘍性大腸炎の腸内細菌は、健康な人と比べ、腸内細菌の種類やバランスが乱れていることが分かっていました。

この乱れが、腸の炎症の要因の一つであると明らかになってきています。

そこで、患者の腸内細菌をととのえる方法として「便移植」が研究されています。

「便移植」とは、健康な人の腸内細菌を用いて患者の腸内環境を改善する方法です。

順天堂大学で行われた研究では、56.3%の方に有効性が認められました。

●日頃から腸内細菌をととのえる

また、「便移植」は、誰からもらうのかも重要です。

長期的に効果があるのは、提供相手が兄弟・親子・配偶者では、兄弟が一番高く、

年齢差は11歳を超えると低くなります。もともとの腸内細菌が近い方が効果があるようです。

【腸内細菌は、一人ひとり違いがあります。】

もっとも適しているのは、自分自身の腸内細菌を健康な状態に保つことです。

 

日頃から腸内細菌をととのえる

また、「便移植」は、誰からもらうのかも重要です。

長期的に効果があるのは、提供相手が兄弟・親子・配偶者では、兄弟が一番高く、

年齢差は11歳を超えると低くなります。もともとの腸内細菌が近い方が効果があるようです。

【腸内細菌は、一人ひとり違いがあります。】

もっとも適しているのは、自分自身の腸内細菌を健康な状態に保つことです。腸内細菌をかけがえのないパートナーとして可愛がってください。

寒暖差アレルギー

第14回 11月号

朝晩と日中の温度差が大きくなる季節の変わり目。

この時期になるとなんだか鼻がムズムズしたり、くしゃみを連発したり。

そんな症状に心当たりはありませんか? 

その正体は、近年注目を集めている「寒暖差アレルギー」かもしれません。

*考えられる原因

 鼻の粘膜の腫れ

寒暖差が7度以上で起きやすい

 

太陽が出ている昼間はポカポカ暖かいけれど、日が落ちた夕方以降は急激に冷え込む。

秋から冬にかけての時期や春先などの季節の変わり目は、このように1日の寒暖差が大きくなるもの。

 

こうした寒暖差によって起きるくしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状を「寒暖差アレルギー」といいます。

医学的には「血管運動性鼻炎」と呼ばれ、温度差が刺激となって鼻の粘膜の血管が広がり、粘膜が腫れることで引き起こされる症状と考えられています。

寒暖差アレルギーの症状は、温度差が7度以上になると出やすいといわれています。

特定のアレルゲンが原因ではないので、寒暖差アレルギーのみを対象にした薬は販売されていませんが、症状が重い場合には、療法として抗アレルギーの内服薬やステロイドの点鼻薬などを用いることもあります。

くしゃみや鼻水、鼻づまりは、風邪や花粉症、アレルギー性鼻炎などでも生じる症状です。

しかし、風邪には「ウイルスによる感染」。

花粉症やアレルギー性鼻炎には「花粉、ホコリ、ダニなどの原因となるアレルゲンによる免疫反応」、

とそれぞれはっきりした原因がありますが、寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)にはウイルスやアレルゲンは関与していません。

また、症状の表れ方も、寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)と、風邪やアレルギー性鼻炎とでは異なります。

それぞれの特徴を以下にまとめました。

 

自律神経のバランスの乱れが寒暖差アレルギーの一因

寒暖差アレルギーの原因はまだ明らかにされていませんが、一因として自律神経のバランスが関係していると考えられています。

自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があり、臓器や血管に対して正反対の影響を及ぼしています。

例えば、交感神経が優位になると血管が収縮し、血圧を上昇させますが、副交感神経が優位になると逆に血管が拡張し、血圧の低下をもたらします。

また、心拍数も交感神経が優位になると増加しますが、副交感神経が優位になると減少します。

このように、体内の環境は自律神経のバランスによって適切に保たれており、鼻の粘膜にある血管の収縮や拡張も自律神経によって通常はコントロールされています。

ところが、激しい寒暖差による刺激を受け続けると自律神経のバランスが乱れ、鼻の粘膜の血管の収縮・拡張の調節もうまくいかなくなります。

その結果、鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの鼻炎の症状が表れやすくなるのです。

ひどい症状は抗アレルギー薬やステロイド点鼻薬などで抑えることも可能です。

症状が軽い場合は市販の点鼻薬で抑えることもできますが、種類によって作用が異なるため、自己判断には注意が必要です。

医師や薬剤師に相談し、用量や用法を守って使用しましょう。

 
衣類などで温度差の調節をストレス解消や運動もお勧め
 
寒暖差アレルギーを防ぐためには、体に感じる温度差をできるだけ小さくすることが大切です。
 
外出時などはさっと羽織れる衣類やマスクを持ち歩くなど、身につけるものを工夫しましょう。
 
寒い屋外を出歩く時は、首元をスカーフやマフラーなどで温め、さらにマスクを着用するのがお勧めです。
 
首の皮膚表面近くには太い血管が通っているため、温めることで顔まわりの血流が促進されます。また、マスクをつけることで鼻の粘膜に触れる冷気を遮断する効果が期待できます。
 
皮膚表面近くの太い血管は手首や足首にも通っているので、手袋や靴下などでこの部分をしっかりガードするのもよいでしょう。さらに効率よく血流を促進することができます。
 
なお、温度差だけでなく、タバコの煙や排気ガス、香料などの化学物質、精神的なストレスなども自律神経のバランスを乱す要因となり、寒暖差アレルギーに影響するといわれています。
 
こうした刺激となる物質をできるだけ避ける、こまめなストレス解消を心がけるといったことも、寒暖差アレルギー対策につながります。
 
さらに、筋肉量が少ないと体内で産生される熱量が少なく、体温調整がしづらいため寒暖差に弱くなりやすいということも考えられます。
 
適度な有酸素運動や筋トレは、筋肉を強化し、血流を促進するうえでとても有効です。結果的に寒暖差アレルギーを予防する効果も期待できます。
 
寒暖差アレルギーの症状は、温度差がほとんどない季節や環境であれば自然と落ち着く場合がほとんどです。
 
栄養バランスのとれた食事や適度な運動、十分な睡眠といった健康的な生活で自律神経のバランスを整え、温度差による刺激に左右されない体づくりが必要です。
 
血流の促進やストレスの緩和などではり灸治療も併用していくとより効果的です。

インフルエンザ

第15回 12月号

インフルエンザとは例年12月〜3月にかけて流行し短期間で多くの人に感染するインフルエンザウイルスによる感染症です。

主にヒトに流行を引き起こすのはA型とB型のウイルスで季節性があります。この季節性インフルエンザの感染者数は推定約1000万人とされています。

A型のウイルスでは100種類以上の型に分類されており、その年によって流行する型が違います。

また型ごとに免疫反応を起こす抗原が異なるため、その型の抗原を持っていなければ感染してしまいます。毎年かかる人や流行期間内に数回かかる人がいるのもそのためです。

 

世界的大流行(パンデミック)

インフルエンザは20世紀に3度のパンデミックを起こし、このうちスペインかぜと呼ばれたインフルエンザでは多くの犠牲者がでました。

これらのパンデミックの結果、多くの国民が免疫を持つようになり、インフルエンザは特別に扱われることは無くなりました。

 

症状と治療

インフルエンザの症状は、38度以上の高熱、倦怠感、食欲不振、頭痛、関節痛、筋肉痛などがあげられます。

現在は抗インフルエンザウイルス薬があるため、発症から48時間以内に使用するとウイルスの増殖を抑えて発熱などの症状が消えるのを早めたり、体外に排出されるウイルスの量を減らすなどの効果があります。

あとは対症療法で解熱剤、咳止め、去痰薬が使われる事もあります。

 

予防

手洗いうがい、マスクの着用の徹底。

その年に流行するインフルエンザは毎年予測されワクチンが作られます。予防接種で感染を完全に予防することはできませんが、インフルエンザにかかる人や重症化して入院する人を減らせます。

今年は咳やくしゃみを人前ですることをタブーとされ風邪も引けない。新型コロナウイルスとインフルエンザとの区別がつかない恐れがある、など特に注意が必要です。

改めて手洗いうがいマスクを徹底してリスクを最大限に減らすことが大切になってきます。

またテレワークなどによる生活習慣の変化やストレスで免疫力が下がりますので、変化する環境に対応し健康的な生活ができればいいと思います。

 

プロバイオティクスから
   バイオジェニックスへ

第16回 1月号

「バイオジェニックス」とは、私たちもサプリメントなどを介して摂取することが出来るごく身近なものなのですが、同じような「プロバイオティクス」という考え方に比べれば、一般的にはあまり知られていません。

直接、あるいは腸内フローラを介して

「免疫賦活、コレステロール低下作用、血圧降下作用、

 整腸作用、抗腫瘍効果、抗血栓、

 造血作用などの生体調節・生体防御・

 疾病予防・回復・老化制御などに働く食品成分」

 と説明されています。

簡単に言うなら、

「サプリメントとしてこれを摂取すれば、

直接的にまたは腸内環境の改善とともに、

身体に良い影響を与えることが出来る成分」

といったところでしょうか。

「バイオジェニックス」の代表格といえるのが

乳酸菌生産物質です。

この乳酸菌生産物質は「乳酸菌が人の腸内で毎日生産している物質、すなわち、腸の中で(ビフィズス菌などの)善玉菌が作り出している、人の健康を正常に維持させるための物質」そのもののことと考えられます。

プロバイオティクスとは違いバイオジェニックスは腸内フローラを介することなく身体に直接作用することがプロバイオティクスとの大きな違いになります。

また、タンパク質、酵素反応などで生成される二次代謝物であり、有機化合物(無機化合物は除外)であることがその条件となります。

腸内フローラを介さず身体に直接働きかける、腸内フローラのバランスが正常になるように働きかけます。

プロバイオティクスは、あくまでも生きた菌として腸内フローラのバランスを改善して体調調節を行います。

ただし、体外より摂取した生きた菌は腸内にて発育・定着することは困難(多種類の菌を多量に毎日摂ることが必要)です。

*ヨーグルトなどの発酵乳や乳酸菌飲料(生きた菌だけに限定されたもの)

バイオジェニックスは、プロバイオティクスと違ったこれまでの腸内フローラ改善だけに留まらない生体機能活性をもたらす特性を有していることが分かってきています。

バイオジェニックスはプロバイオティクスの進化した形であり、生活習慣病予防や代替医療、健康維持、長寿のために利用されることが期待されています。

また、腸内フローラを善玉菌優勢にさせる手段になり得るものです。

バイオジェニックスは、腸内フローラを介すことなく多種な働きを体にもたらす食品成分です。

体全体に直接作用することで、腸内の免疫機能を活発化したり、コレステロールや血糖や血圧を安定させたり、活性酸素を減らしたりする可能性が研究・解明されつつあり、バイオジェニックスこそが、生活習慣病や老化の防止に有望だという考え方が広まりつつあります。

菌が生きているか死んでいるかはあまり重要ではなく、死んだ菌も含めて

乳酸菌の作り出す物質、代謝産物と菌体成分が乳酸菌生産物質であり、それらが腸内の免疫機能を刺激することで体全体の機能活性を促し、腸内フローラにも良い影響を与える

というメカニズムを理解し健康に役立てていくことが大切です。

この乳酸菌生産物質は、人間の健全な腸内を人工的に作り出した環境下いわば“体の外の工場”で作り出されますが、これこそバイオジェニックスそのものです。

ビタミン、生理活性ペプチド、ポリフェノール、DHAなどの食品成分もこの範疇に入りますが、いずれも単一機能であって乳酸菌生産物質のように健康を司る統合機能は持ち合わせておりません。

当院でも乳酸菌生成物質が入っているサプリメントがありますので是非この機会に自分の腸内フローラを育てて健康に過ごしてみてはいかがですか?

乳酸菌生成エキスはこちらへ

 
 

最先端の「バイオジェニックス」理論

便秘が低年齢化している

第17回 2月号

●小学生の4人に1人が便秘の疑い

NPO法人「日本トイレ研究所」(東京)が全国の小学生約1万人を調査(5678人回答)したところ、4人に1人の割合で便秘の疑いがあることがわかった。

小学生の排便の実態調査は珍しく、同研究所は「深刻な状況だ。保護者には食事や運動だけでなく、子どもの排便にも目を向けてほしい」としている。

 11月10~19日、全国各地の53校の小学生約1万人を対象に、排便の回数や硬さなどを10日間記録するチェックシートを配布。全項目が記載された5678人分の結果を集計した。

 その結果、10日間のうち2回以上、「ころころ」か「ごつごつ」の硬い便だった児童が24・6%にのぼった。

男女別では女子が27・4%で、男子(21・7%)よりも多かった。

日本小児消化管機能研究会などのガイドラインでは、2カ月のうち週1回以上「痛みを伴うか、硬い便通」があれば慢性便秘症としており、同研究所は、硬い便と回答した児童について便秘が疑われると結論付けた。

10日間のうち排便があった日数についても、便秘が疑われる「0~3日」の児童が5・7%いた。

 同研究所の加藤篤代表理事は「家庭では多くが洋式便器だが、小学校の4割ほどが和式なので慣れておらず、排便を我慢しがちな傾向がある」と指摘。

睡眠不足や学校生活のストレスも、原因として考えられるとし、「便秘が続くとイライラして勉強に集中できなくなる。健康的な生活習慣のためにも、排便の大切さを教える教育が必要だ」と話している。(12/22 毎日新聞)

 

小学生のうちから便秘とは一昔前なら考えられなかった。

日々のストレスや食生活の変化から腸内環境が悪くなっている子が多いためだと思う。

先日、患者さんから小学生の孫が便秘で困っているとの相談があったため「乳酸菌生成エキス"智通"」をお出しした所、約1週間で3日連続で大便が出たと効果を実感し喜んで頂けた。そのことから今も家族で"智痛"を飲んでいます。

子供自ら便秘を改善するのは難しいため周りの大人が気づいてあげる事が大切だと感じます。

 

スマホはトイレの便座より汚い?

第18回 3月号

●スマホは、トイレの便座の何倍も汚い!? 

ネット閲覧やSNSをしたり、音楽を聴いたり、ゲームを楽しんだり…、いまや生活に欠かせないスマートフォン。

ある調査によれば、スマホユーザーの多くは、1日に数千回もスマホの画面をタッチしているのだとか。 

そんなスマホ、実はかなり汚れています!!

「スマホの画面は、トイレの便座の何倍も汚い」なんて言われることもありますよね。

実際に、「携帯電話にトイレ便座の10倍の細菌が付いていた」というアメリカの大学の調査結果もあります。 

スマホが日々さらされている環境は衛生面から見るとかなり過酷。

満員の通勤電車で他人の咳やくしゃみの飛沫が飛んでくることもあるし、フードコートや会議室などの汚れたテーブルに何気なく置かれることもあるし、病院でだって使われますよね。

新型コロナウイルスの感染予防の対策として、手洗いやアルコール消毒が推奨されていますが、せっかく手指をきれいにしても、スマホに菌やウイルスが付着していれば、意味がありません。 

 

●本や新聞のかわりに、トイレにスマホを持ち込んでいませんか? 

自宅にいても、油断大敵。本や新聞のかわりにトイレにスマホを持ち込んでいませんか? 一見キレイに見えるトイレも、便座やドアノブなどに大腸菌やウイルスなどがいる可能性があるんです。 

トイレから出たとき手は洗うのに、スマホはそのまま。そう考えると、汚れているのも納得ですね。 

 

●新型コロナウイルスや大腸菌にはアルコール除菌が効果的 

そこでおすすめしたいのが、スマホの除菌。

新型コロナウイルスなどのエンベロープウイルスや、トイレで付着しやすい大腸菌にも、アルコール除菌は効果を発揮します。

アルコールは、ウイルスの「膜」を壊すことで無毒化するものです。

<使用方法>濃度70%以上95%以下のエタノールを用いて、スマホを消毒してください。

しっかり予防して感染しないように気を付けましょう!

 
 

口腔環境を整える

 

第19回 4月号

 

免疫力とは、ウィルスや細菌などの病原体に対抗・抵抗する力の事です。

免疫力の低下は、

      加齢

      ②生活環境・生活習慣

      ③ストレス

が原因で起きると言われています。

そして昨今では

腸内環境、口腔内環境もその要因の1つ

と言われています。

 

●免疫力と口腔環境の関係とは?

口腔内は細菌や有害物質の入り口でもあり、体内へ侵入するバリアの役割を持っています。

しかし、虫歯、歯周病などで唾液の量が減少したり口腔内の菌のバランスが崩れると口腔内粘膜のバリア機能が欠如してしまいます。

そのため、免疫力の低下へとつながる因子を体内へ呼びこんでしまい、

それが

 免疫力の低下

歯周病や虫歯を引き起こす

更に免疫力が低下する

と負のスパイラルとなってしまいます。

従って、歯科治療と免疫力の向上はどちらも行っていくことが健康へと繋がります。

バリア機能を十分に発揮できるよう、口腔内を健全な状態に保ちましょう。

唾液は細菌やウィルスを防御し、お口の中の汚れも洗い流してくれます。

しかし、口腔内が不衛生になり悪い細菌が増えてしまうと、細菌が生み出す物質が粘膜の防御機能を破壊してしまいます。

飲み込む力の弱っているご高齢の方では、唾液に混ざった細菌が肺に入り、肺炎を引き起こすことも知られています。

では口腔内を健全な状態に保つにはどうすればいいのか?

当院では自然由来の成分で作られた

                            「デントラクト」

        (B&Scorporation)

という歯磨き粉を取扱っています。

この歯磨き粉は人体に有害とされる成分やマイクロビーズは一切入っていません。

こちらには乳酸菌生成エキスが配合されており、細菌が多くいる口腔を整えるにはぴったりの歯磨き粉となっています。

虫歯や歯周病を予防するだけではなく、インフルエンザや肺炎、感染症を予防するためにも口腔ケアは欠かせないことなのです。

  

 
 
 

便秘による肌荒れ

第20回 5月号

●便秘になると肌荒れがひどくなる...

そんなお悩みがある人は多く、便秘になると顔にいつの間にかニキビや吹き出ものができていた、という経験がある人も少なくありません。

そのニキビや吹き出ものは、

便秘による腸内環境の悪化

が影響をしている可能性があります。

実は便秘と肌荒れは密接に関係しており、今回はその関係性を徹底的に解説していきます。

便秘とは

「本来体外へ排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」

と慢性便秘症診療ガイドライン2017では定義されています。

日本内科学会でも

「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」としています。 

一般的な便秘の状態をまとめると、以下のようになります。 

排便が週2〜3回以下

硬い便が出る

ウサギの糞のようなコロコロした便が出る

排便がスムーズにできない(排便困難感がある)

排便をしてもまだ便が腸に残っている感じがする 

便秘でお悩みの人は、一つでも当てはまることがあるはずです。

当てはまる状態があれば、便秘の可能性が高いと考えてもいいでしょう。

●便秘に悩む人はどのくらいいる?

誰もが一度は悩んだことはある便秘ですが、便秘に悩む人は実際にはどのくらいいるのでしょうか。

厚生労働省がおこなった国民基礎生活調査(平成28年)によると、便秘で悩んでいる人は、人口1,000人のうち、男性24.5人、女性45.7人となっています。

羞恥心からトイレを我慢する、女性ホルモンの影響や腹筋力が男性よりも弱いことなどが、女性の便秘が多くなる理由として考えられています。

 

肌荒れを引き起こすのは弛緩性便秘

女性に起こりやすい便秘には、大きく分けると

「機能性便秘」と「器質性便秘」

があります。

このうち肌荒れは機能性便秘の中でも「弛緩性便秘」に見られることが多いと言われています。

弛緩性便秘は太い・固い便が特徴

弛緩性便秘とは、胃・小腸・大腸などの消化器官の機能に異常が起こり、腸の中で便が生成される仕組みに障害が起きる「機能性便秘」のうちの1つです。

運動不足や食物繊維の摂取不足などのため、腸の蠕動運動が十分起こらずに大腸の中に便が長くとどまり、便も太くて固くなるのが特徴です。

高齢者や出産回数が多い女性に多くみられると言われています。

この弛緩性便秘では、大腸内に便が長時間留まることで腸内で

悪玉菌が増えて

腐敗物質が多く発生します。

また、血糖コントロールが難しくなり、それらが肌の刺激や老化につながる可能性があることが指摘されています。

便秘でも起こる、肌荒れとは?

便秘になるとなぜ肌荒れになるのかを説明する前に、まず肌荒れとは何かをおさらいしておきます。

多くの女性が悩む便秘では便がスムーズに出ないだけでなく、いろいろな体の不調を生じさせます。その一つが肌荒れです。

「肌」とは皮膚の表面にある「表皮の角質層」のことです。

この角質層のキメがこまかく潤っている状態が健康的な肌であり、逆に肌のなめらかさがなくなって乾燥し、肌の状態が悪くなるのが「肌荒れ」というわけです。

・よく見られる肌荒れの症状

かさつきなど肌荒れの症状もさまざまあり、一つの症状だけ現れる場合もあれば、一つ以上の症状が同時に起こることもあります。

肌荒れとしてよく見られるのが、

皮脂の過剰分泌」や「肌の水分量の低下」

によるものです。

肌荒れの主な症状としては、以下が挙げられます。 

 

にきび・吹き出もの

かゆみ

くすみ

肌の乾燥

赤み・湿疹・炎症

毛穴の開き 

 

これらの症状が顔であれば、おでこや頬、髪の生え際、口周りなどに生じます。

肌荒れが起きてしまう原因として、肌のターンオーバーの乱れやホルモンバランスの不調、肌のバリア機能の低下などが考えられます。

そして多くの女性が悩む「便秘」も肌荒れの原因の一つとなっているのです。

便秘で肌荒れになる原因とメカニズム

便秘で肌荒れになってしまう原因として、便秘によって腸内で発生する腐敗物質の影響が考えられます。

便秘で生じた腐敗物質がさまざまなメカニズムによって肌荒れを引き起こすのです。

それぞれの原因とメカニズムについて解説します。

原因1腸内細菌によって発生した

腐敗物質が肌の刺激になる

腸内にある悪玉菌が腐敗物質を発生させて、それが腸壁から体の中に吸収されて血液を介して全身をめぐります。

そして汗や皮脂と一緒に腐敗物質も皮膚から体外へ出ていきます。その際に腐敗物質が肌の刺激となって肌荒れが起こるという仕組みです。

便秘になると本来は体外へ排出すべき便が腸の中に溜まると、便の腐敗が進み腸内細菌の悪玉菌も増えていきます。

悪玉菌が代謝の過程で産生される成分の一つに「フェノール類」があります。

フェノール類は腸から吸収されて血液の中に入り全身をめぐって多くは尿として排出されるのですが、一部が血液を介して皮膚まで到達します。

そこで腐敗物質が刺激となり、肌荒れや肌トラブルが起きるというわけなのです。

原因2皮膚からの腐敗物質排出によって

肌のターンオーバーが乱される

肌の代謝のことを「ターンオーバー」と呼びます。

このターンオーバーが皮膚からの腐敗物質排出によって乱されるため、肌荒れが起こります。

上述のように、腸内環境が悪化して発生した腐敗物質が血液に溶け出して全身をめぐるようになります。そして、腐敗物質の一部は最終的に肌から汗や皮脂と一緒に毛穴から出ます。

すると、皮膚は腸から発生した腐敗物質を早く体外へ排出しようとし、本来の皮膚の大切な役割である肌のターンオーバー(代謝)機能が低下し、肌荒れが進む現象が起こります。

肌の代謝機能が低下することで、新しい細胞が生まれて表面の肌へ成長し、古い細胞は皮膚から垢として剥がれ落ちるといった約6週間の肌サイクルや細胞の分化に悪影響が出て、肌荒れやニキビ、吹き出物などの肌トラブルが生じてしまうのです。 

 

・皮膚の老化に関わるAGEs(最終糖化産物)を発生させる

便秘で腸内の悪玉菌が増えると、体の血糖コントールが悪くなることがわかっています。逆に言えば、血糖値コントロールができている人は善玉菌が腸内に多いと傾向があります。

体内に糖が増えると、糖はタンパク質にくっついて糖化反応(メイラード反応)を起こし、肌の老化に影響するAGEs(Advanced Glycation Endproducts=最終糖化産物)と呼ばれる物質を排出します。

このAGEsは人間の加齢や健康に関わる物質で、本来のタンパク質の働きを邪魔してしまいます。。

なぜなら、肌は主にタンパク質から成り立っているため、AGEsが増えることで肌の機能が低下して、肌の弾力がなくなってシワやたるみ、くすみの原因になるからです。

便秘になると腸内の善玉菌が減り、悪玉菌が増えて血糖コントロールを不良にさせます。血糖コントロールが不良になると糖が増え過ぎてしまい、余分な糖がタンパク質と結合することでAGEsを産生し、肌にも悪影響を及ぼすという結果になります。

●便秘による肌荒れを解消する方法

便秘による肌荒れを解消するには、まずは便秘をなくして腸内環境を整えることが大切です。

とくに女性は肌荒れを隠そうと皮膚の上から化粧品を使ったり、薬を塗ったりしがちですが、いくら外見を整えようとしてもそれでは肌荒れは悪化するばかりです。

肌の状態と腸内環境が関連していることを理解した上で、正しい腸活習慣をつけていくことが重要です。

便秘による肌荒れを解消するポイントをいくつかご紹介します。

①便秘を解消する

便秘による肌荒れ解消には、もとの原因である便秘を解消するのが一番です。

老廃物である便をできれば毎日体の外に出せるように、規則正しい生活や毎日決まった時間へトイレへ行く習慣をつける、睡眠をしっかりとって副交感神経の働きを高め胃腸の動きを促すなど工夫をします。

②便秘を防ぐ食事を心がける

便秘解消には食事内容に気をつけることも欠かせません。

おすすめなのは、朝起きがけに一杯の水を飲むことです。そうすることで、腸を刺激して排便を促すことができます。

さらに、食物繊維の多い食べ物を意識して摂取することで便の量が増えて、腸を刺激することにつながります。食物繊維が多く含まれる食べ物として、バナナ、りんご、ほうれん草、ブロッコリー、トマトなどがあり、他にも海藻類や豆類にも豊富に含まれています。

善玉菌のえさになる食物繊維、オリゴ糖を摂取することで便秘を解消するだけでなく、血液の中にあるフェノールを軽減させて、肌荒れを改善することもわかっています。

当院で取り扱ってる乳酸菌生成エキスも腸内環境を整える為にとても有効です。

③適度に運動をする

適度に体を動かして、腸の動きを活発にして便秘を解消します。

普段運動をする習慣のない人は、軽く汗ばむくらいの速さで毎日10分歩くだけでもOKです。

理想としては、便を押し出す腸腰筋を鍛えるために1日9000歩1時間半のウォーキングがベストといわれています、ただし体調に気を付けて無理しないようにして下さい。

便秘による肌荒れ解消には、便秘をなくすことが大切で、そのために食事・運動など生活習慣を改善する工夫が必要です。

それぞれのライフスタイルに合わせて腸活の工夫をしてみてくださいね。

●最後に

便秘は肌荒れを引き起こす原因の一つです。

肌に刺激を与える有害物質が腸内で多く発生しないように、普段から便秘を引き起こさない生活習慣を身につけることが大切です。

とくに肌荒れが気になる女性は、腸環境と肌状態が密接に関わっていることを意識して便秘解消の工夫をすることをおすすめします。

 

 

お灸ってどんなもの?

第21回 6月号

お灸は、一般的にモグサ(艾)を皮膚の上(経絡上のツボ)に置いて燃やし、その温熱刺激によって体調を整える治療技術です。

一般的にお灸で使うモグサ(艾〔もぐさ〕)は、乾燥させたヨモギの葉(の絨毛〔じゅうもう〕)を精製したものです。

原料となるヨモギは日本全国に自生するキク科の多年草で、さまざまな薬効成分(健胃、利尿、解熱、止血等)が含まれており、草餅にして食べたり、煎じて飲んだり、お風呂に入れたりと日本人にもなじみ深い植物です。

また、モグサを燃やした時の独特な香りは、ヨモギに含まれるシネオールという成分が燃焼した時の香りで、さわやかですっきりとした芳香を持つためリラックス効果も期待できます。

昔のお灸は、強い熱刺激で故意に火傷をつくり化膿させて膿を出すという方法(打膿灸〔だのうきゅう〕)が用いられてきました。

この灸法は有痕灸〔ゆうこんきゅう〕と言って、皮膚に灸(火傷)の痕をつくることから現在ではあまり使われていませんが、意図的に火傷をつくることで身体を巡る血液中のさまざまな物質が活性化し、免疫機能に作用することが知られています。

有痕灸には他にも、イボやウオノメなどに直接お灸をすえて、角質化した組織を焼け焦がす焼灼灸などがあります。

現在では火傷の跡を残さない心地よい温熱刺激のお灸(無痕灸〔むこんきゅう〕)が主流となっています。こちらは心地よい温かさで、心身ともにリラックスできるお灸です。

お灸により免疫機能、代謝機能などを高め、病気になりにくい身体を作ることが知られています。

また、投薬治療に比べ副作用も少なく、冷え症や月経痛、不妊症などの婦人科系の疾患にも効果的ですし、高齢社会を迎えた現代では、元気に健康で長生きするための予防医学としても期待が高まっています。

せんねん灸などを用いて、安価で簡単に自宅でセルフケアができるのも利点のひとつと言えます。

身体を芯からあたため心身ともにリラックスできるお灸は、ストレスが多い今にぴったりな治療法です。

卵アレルギーは腸内細菌が原因だった!

 

第22回 7月号

食物アレルギーの原因として最も多いとされる卵 、卵アレルギーが、腸内細菌の群れ「腸内フローラ」の乱れに関係していることを、関西医科大学の研究チームが突き止めた。

腸内環境を改善することで、食物アレルギーの予防や治療につながる可能性がある。

アレルギーと腸内細菌の関係についての研究成果が報告された。

腸内環境のイメージ  アレルギーは、本来なら拒絶しなくてもいい無害な物に対して、体が反応してしまい、めまいや発疹などの症状を引き起こす現象だ。

過剰な免疫が引き金となるため、研究チームは、体の免疫細胞の7割が集まる腸に注目。免疫細胞と作用し合う腸内細菌を調べた。 腸内細菌は様々な種があり、腸の粘膜に隙間なくびっしりと張り付いている。

顕微鏡で見ると、まるで並んで咲いた花のようであることから、花畑(フローラ)にちなんで腸内フローラと呼ばれる。食生活なども影響するが、およそ

「3歳までにはその人の腸内フローラの基礎が決まる」

とされる。

チームは、18歳の子どもを対象に、卵アレルギーのある子と、アレルギーの腸内フローラの状態を比べた。

その結果、卵アレルギーがある子どもは、腸内に存在する細菌の分布が健常児とは違っていた。さらに、腸内で「酪酸」という物質を作り出す

「酪酸産生菌」

の割合が健常児の3分の1ほどだったことがわかった。

 

鶏卵アレルギーを有する小児患者の腸内では、健康小児と比較して酪酸産生菌が減少していることが明らかになったことから、腸内細菌叢をより良い状態に改善させることが、食物アレルギーの新しい予防法・治療法の開発につながるものと期待されると研究チームでは説明している。

ペットボトル症候群

 第23回 8月号

 

「飲み過ぎ注意"ペットボトル症候群"」

真夏、暑い日に外に出ると汗をかきます。

冷えたジュースは口当たりがよく、つい飲みすぎてしまいますよね。

しかし、多量の糖質を含むジュースを飲み過ぎると

「ペットボトル症候群」

を引き起こす場合があるので注意が必要です。

 

ペットボトル症候群とは、別名

「清涼飲料水(ソフトドリンク)ケトーシス」

と言われ、糖分が含まれている甘い清涼飲料水を大量に摂取することで血液中のブドウ糖やケトン体と呼ばれる成分が異常に高くなり、著しい喉の渇き、多尿(尿量が多い)、倦怠感(体がだるい)、腹痛、嘔気などの症状が現れ、ひどくなると意識が低下し、昏睡状態に陥ることもあります。

糖尿病と診断されていなくても突然発症することもあります。

“清涼飲料水を飲む→血糖値上昇→喉が渇く→清涼飲料水を飲む→高血糖”

の悪循環によって引き起こされます。

ジュース500mlには、角砂糖約10〜16個分も含まれています。

これを一日に5〜6本も飲んでしまうとたちまち血糖値は上がってしまいます。

スポーツドリンクも飲み過ぎには注意が必要です。

 

水分補給はお水やお茶(カフェインが含まれないミネラル入り麦茶など)を飲むのがおすすめです。

 

腸内細菌が下痢を抑制する

第24回 9月号

慶應義塾大学は2021年6月18日、人工甘味料として知られる糖アルコールの過剰摂取による下痢を、腸内細菌が抑制することを明らかにしたと発表した。

糖アルコールを栄養源とする微生物がこれを消費することで、下痢の発症を抑えていることが示唆された。  

人工甘味料のソルビトールやマンニトールなどの糖アルコールは、過剰摂取すると一部の人で下痢を引き起こすことが知られている。

研究グループは、下痢を誘発する個人差として、腸内細菌に注目した。  

まず、腸内細菌が糖アルコール誘発性の下痢に関与しているかを確認するため、通常のマウスと、体内に細菌を持たない無菌マウスにソルビトールを投与した。

その結果、無菌マウスは体重減少を伴う重度の下痢症状を起こした。  

次に、特定の腸内細菌が下痢を抑制しているか調べるため、複数の抗生物質を投与した上で、ソルビトールによる下痢が生じるかを確認した。

アンピシリンまたはストレプトマイシンを投与したマウスでは重度の下痢が生じ、特定の腸内細菌が下痢抑制に関わっている可能性が示唆された。  

腸内細菌叢を詳しく解析すると、Enterobacteriales目またはClostridiales目細菌群の関与が判明。そのうち、ソルビトールの投与で増加したEnterobacteriales目細菌群の中に、ソルビトールを栄養源として利用できる大腸菌と利用できないプロテウス菌がいることが分かった。  

大腸菌とプロテウス菌をそれぞれ無菌マウスに移植し、ソルビトールを投与したところ、大腸菌が定着したマウスは下痢にならなかった。

大腸菌のソルビトール代謝関連遺伝子を変異させたマウスのうち、srlD遺伝子変異株はソルビトールを消費できなかった。つまり、大腸菌が栄養源として糖アルコールを消費することが、下痢の抑制に関わっていることが示唆された。  

大腸菌は負の影響を与えるイメージが強いが、多くは病原性を持たず、人に有益な効果を与える微生物「プロバイオティクス」としても使用されている。今回の研究成果から、今後、人工甘味料による下痢抑制などの活用方法も期待される。

座りっぱなしは危険

第25回 10月号

いすに座って作業をしたり、ソファに寝転んでじっとしていたりという、「座りっぱなし(座位行動)」の時間が長くなればなるほど、死亡リスクが高まり、肥満、糖尿病、心疾患、脳卒中、がん、うつ病、認知機能の衰えなどにも影響することが近年の研究で明らかになってきました。

長時間座っていることで下肢の筋肉が使われないと、代謝機能の悪化や血流の低下、血圧の上昇を招くことなどがその原因であると考えられています。

座ってすごす時間が1日8時間以上になると、4時間未満の人と比べて死亡リスクが上昇すると考えられています。

世の中が便利になったことで、現代人は体をこまめに動かす機会が減っています。さらに、新型コロナウイルスの影響で外出が減り、テレワークの導入が急速に進んだ結果、家で座りっぱなしで過ごす時間がどんどん増えています。

こうした不活発な時間の増加による健康状態の悪化が、今後じわじわと進んでくるのではないかと心配されます。

 

「座りっぱなし」を運動で相殺するのはなかなか大変

 

平日は座りっぱなしの時間が長くても、週末に運動をすれば大丈夫だと思う人も多いでしょう。しかし、そう簡単にはいかないようです。

米国では、カウチ(長椅子)に座りっぱなしで、ポテトチップスを食べながらテレビを見たりしてダラダラ過ごす人を、「カウチポテト」と呼びます。

これにちなんで、週末などの限られた時間は運動をしてアクティブに過ごしながら、その他の時間は座りっぱなしで過ごす人たちのことを、座位行動の研究者たちは「アクティブ・カウチポテト」と呼んでいます。

「アクティブ・カウチポテトの人たちは、『自分はしっかり運動しているから大丈夫』と安心してしまい、運動以外の時間はほとんど動かず、座りっぱなしで過ごしています。しかし近年、こうした人たちでも死亡リスクが増加することが分かってきたのです」

座りっぱなしによる死亡リスクの上昇を、運動によって相殺するためには、中強度の身体活動を1日60~75分は行う必要があるといいます。

これは、2016年に公表された研究の結果で、座位行動に関する複数の研究を統合した計100万人以上の男女のデータを解析したものです。

この研究では、運動強度の単位である「メッツ」と「時間」を掛け合わせた「メッツ・時(MET-h)」が週に35.5以上のグループのみ、1日に座っている時間の長さが死亡リスクに影響を与えていませんでした。

週に35.5メッツ・時以上の運動というのは、

早歩きのウオーキングを毎日1時間以上行うくらいの運動量

に相当します。

このレベルの運動習慣がある人は、「アクティブ・カウチポテト」で過ごしてもそれほど心配しなくてもよさそうですが、忙しい現代人にとっては、これだけの運動量を日々確保することはかなり難しいのではないでしょうか。となれば、

「座りっぱなし」の時間を少しでも短くする方が、簡単かつ確実に実行可能な健康法となります。

「『座りっぱなし』をやめるには、まず、長時間座っていることは体に良くないと強く意識することが大切です。何かに熱中していても、ときどき『しまった、座りっぱなしだ!』と気付いたら、少し立って歩くようにしてください」

具体的に、何分に一度立ち歩けば病気になるリスクが減るのかについては、残念ながらまだはっきりしたエビデンスは得られていませんが、

「まずは30分ごとに3分くらいのブレイク(中断)を目標

にするといいでしょう。

もし『30分刻みだと仕事に集中できない』という場合は、1時間に5分でもいいでしょう。その際、立つだけでは十分に筋肉が動かないため、

少し歩き回ったり、その場で軽くスクワットをしたりして、下半身の大きな筋肉に刺激を入れる

のがポイントです。

テレビを見ているときならCMのたびに立ち歩く、立っていてもできる作業は立ったままする、といった工夫もお勧めです。

 

のどの違和感
声のつまり

第26回 11月号

最近、ストレスが原因となる咽喉頭異常感症(ヒステリー球、梅核気)の症状の方が多くご来院しております。

のどや食道の上部に常に何かがつかえているような異物感や、締め付けられるような不快感を伴う症状が現れます。

食事や飲み物を口にした場合(嚥下時)は気にならないことがほとんどです。

検査を行っても咽頭や喉頭に器質的な異常が認められないものを総称して、咽喉頭異常感症(ヒステリー球、梅核気)といいます。

咽喉頭炎、扁桃炎、食道がん、下咽頭がんなど、のどに異常をもたらす疾患がないかどうかを検査し、疾患が発見された場合はその病名に変更されます。

しかし、原因となる疾患が無いこともあり、その場合は

心因的要素

が関係していると考えられます。

心因的要素としては、ストレスや情緒不安定などが挙げられますが、更年期障害、自律神経失調症などの症状の一つとして現れることもあるとされています。

また最近では、新型コロナウイルスの影響によるストレスが関係している様に思います。

●咽喉頭異常感症(ヒステリー球、梅核気)の治療

咽喉頭異常感症(ヒステリー球、梅核気)に対して積極的に鍼治療を行うことで、極めて高い効果をあげております。

食事を飲み込む動作、横になっているときやリラックスしている時などは比較的症状が軽いことが多いのが特徴です。

これは自律神経のうちの副交感神経が優位になっている状態の時は症状が軽くなるということが言えます。そのような意味では鍼治療は交感神経を抑え、副交感神経を亢進させるため非常に有効な手段といえるでしょう。

また、自律神経失調症や、更年期障害を伴っている方も鍼治療は非常に有効です。

これらの症状は鍼灸の得意分野ですので、非常に高い効果が期待できます。

是非当院の一本鍼治療をお試しください。

 

冷えは万病のもと

第27号 12月号

「手足が冷たい」「肩がこる」「おなかが冷えると下痢しやすい」など冷えの感じ方はさまざまです。

冷えにはいろいろな原因があると考えられています。気温の低下が影響して風邪をひくなど、体調を崩しやすくなります。また、精神的ストレスにより冷えを起こす場合も考えられます。

これは交感神経が過剰に優位になることでおこると考えられています。仕事や人間関係でのストレス、気候の寒暖によるストレスなどが長時間に及ぶと交感神経が優位となり血管が収縮して血液循環が低下して冷えが起こるのです。

生活の中で趣味や好きな事をする時間を設けてリラックスすることが大事です。

冷えを感じたら積極的にその部分を温めましょう。首、腰、膝などポイントで温めることも大事です。また、冷えると内臓の働きも低下して免疫力が下がり全身の活動に影響がでます。体全体を温めるためには背中やおへその下を温めると効果的です。

冷たい飲み物や食物は腸を冷やしてしまい全身の活動が低下しますので温かいものを飲み胃腸を冷やさないようにすることも大事です。

身体を温める方法

カイロを背中か腰とおへその下に貼る。(低温やけどにならないように必ず下着の上にはること)

・毎日お風呂で湯船に浸かりリラックスする。

・就寝時足元に湯たんぽを置く。

・日頃からストレスを解消できるように心がける。

・身体の筋緊張を緩和するために鍼治療をする。

冷えを感じる前に早めに温めることを積極的に行っていきたいものです。

 

腸もれ
(リーキーガット症候群)

第28回 1月号

●腸もれって何?

腸もれとは腸の細胞と細胞の間にできてしまう目に見えないほどの小さな隙間のことです。これが細菌や未消化物の栄養素、毒素、腐敗ガスなどを容易に通過させてしまう穴です。

日本ではあまり知られていませんが欧米では

「リーキーガットシンドローム」

と呼ばれています。

心身の不調や様々な病気につながると考えられています。

腸もれの最大のリスクは「体内に入れてはいけない異物の侵入を腸が許してしまうこと」。しかも少しずつ漏れ出している場合、目立った症状はほとんど現れず自覚できません。

しかし実際には体の随所で火事のような炎症が起き臓器や組織を傷つけ様々な不調の原因になりうるのです。例えば腸もれにより血液中に侵入した異物が肝臓に回れば肝臓で炎症が起き、疲労感や倦怠感が現れます。

皮膚で炎症が生じれば肌荒れやアレルギー症状に、腸もれの期間が長ければ脳細胞の萎縮が進行することになり認知症にもつながりかねません。

●なぜ腸に穴が!?

腸に穴があく主な原因は3つです。

腸内で腐敗菌が優勢になる。

 腸の内側は粘膜で覆われ外界から異物が侵入しないようにバリア機能が備わっています。その内部には200種類、100兆個の腸内細菌が棲んでおり善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌7割という構成バランスで健全に働いています。

ところが「悪玉菌優勢」になると腸粘膜が傷つけられ細胞間が緩み悪玉菌が細胞を傷つけるガスを発生させます。その状態が長く続くと腸粘膜が荒れバリア機能が低下し異物が入りやすくなります。

腸内細菌の総量の減少。

 腸もれの発生は「腸内細菌の総量」も影響します。細菌の数が多いほど働きが良くなり腸粘膜も早く形成されます。逆に細菌数が減ると腸粘膜を薄くしか作れず細胞間の連結もゆるんできます。

体内時計の狂い。

 腸は全身の中でいちばん過重労働を強いられている臓器であることも腸もれの原因の一つです。疲弊しやすいため常に新しい細胞へと変わっていかなければバリア機能の役割が果たせません。

それなのにストレスや睡眠不足などで体内時計が狂い、新陳代謝がうまく行われていないと細胞の再生がうまくいかなくなります。

 

●腸もれを防ぐには?

腸もれを防ぐには腸内細菌を育てることが何より重要です。

腸内細菌は

細胞と細胞の接合を緩めてしまうたんぱく成分「ゾヌリン」の分泌を抑え

腸もれで傷んだ腸壁を保護する粘膜を分泌し上皮細胞のエネルギー源になってくれる短鎖脂肪酸を作り出してくれます。

このような有益な働きを腸内細菌に「してもらうために」私たちの食事が大切です。添加物、加工食品、白砂糖などを避け、納豆やオクラ、めかぶ、山芋などの水溶性食物繊維がおすすめです。

また味噌やお酢、キムチなどの発酵食品も大事です。慢性炎症を防ぐ亜麻仁油やエゴマ油などのオメガ3脂肪酸の摂取も心がけましょう。

食事とあわせてお風呂にゆっくり浸かるなどリラックスタイムを確保することで腸が活性化しますので大事です。

腸内環境を手っ取り早く整える「乳酸菌生成エキス」を用いることも有効です。

是非お試しください。

腸もれチェックリスト

該当する項目数が多いほど「腸もれ」が進行している可能性があります。

・食物アレルギーがある。または子供のころあった。
・炭水化物や甘いものが好き。
・野菜や海藻、キノコをあまり食べない。
・加工食品うをよく食べる。
・痛み止めや抗生物質をよく服用する。
・生活が不規則で睡眠不足。疲労気味。
・除菌グッズを頻繁に使用している。
・仕事や人間関係でストレスがある。

脳腸相関

 

第29回 2月号

 

脳と腸はお互いに関連しています。

例えばこんな経験はありませんか?

 

 ・緊張するとおなかが痛くなる。

 ・便秘が続くと気分がふさぐ。

 

これは脳と腸が相互に依存関係にあることを示しています。

これが脳腸相関です。

ストレスが原因で便秘や下痢、腹痛がおこる過敏性腸症候群は脳と腸が関連しているという分かりやすい例です。

この脳腸相関は腸内細菌が深く関わっていることが近年の研究でわかりつつあり、ほかにもうつ病やパーキンソン病などの病気の発症、予防とも関係することが分かってきています。

脳と腸は迷走神経を介してつながっているためストレスを感知すると腸内環境が変化して腸内フローラ(腸内環境)が変わり体に悪影響を及ぼす可能性が示唆されています。

リラックスしているときは腸内フローラのバランスが整いやすく働きが良くなります。また脳が不安を感じることも抑えられます。

逆にストレスを感じると交感神経が優位になり消化機能が低下します。腸内では悪玉菌が優勢になり便秘や下痢を引き起こしやすくなります。そしてその情報を脳がキャッチするため更にストレスが増します。

ストレスをため込まないようにすることと同時に食事や睡眠、適度な運動などの生活習慣を見直すと同時に腸内環境を整えることがとても大事です。

当院のハリ治療で自律神経を整え乳酸菌生成エキスの摂取で腸内環境を整えることで脳と腸のバランスが良くなります。

是非ご利用ください。

春のメンタル乱れにご注意を

第30回 3月号

●春バテの原因

春の季節は気圧の変化や寒暖差が多くなります。また就職や転勤、入学などの生活環境が大きく変化する時期でもあるため自分でも気付かないうちにうストレスを抱えてしまうことが起こるようです。そのため自律神経が乱れいわゆる「春バテ」が起こると考えられています。

自律神経を整えましょう!

自律神経は活動時に働く「交感神経」とリラックスしている時に働く「副交感神経」から成り立ち自分が意識していなくても自律的に24時間働いている神経です。

通常はこの2つの神経がバランスを保つことで心身の調子が保たれているのですが、前述した様々な要因により交感神経が過度に優位となり頭痛やめまい、意欲感の低下、疲労感などの症状が起こりやすくなります。

 

 

●春バテの改善

 ・朝日を浴びる

 目覚めたら日を浴びて交感神経のスイッチをいれると活動モードに切り替わります。 

 ・体を冷やさないようにする

 カイロなどで首、おなか、腰を温めると効果的です。

 ・日中はなるべく体を動かす

 掃除や片付け、外を歩くなどなるべく体を動かすことが大事です。

 

 

●一本鍼治療は自律神経のバランスを整えます。

当院の一本鍼治療は筋肉のコリを確実に取り除きますから春バテにも大変効果的です。

春バテの治療にぜひ利用してみてください

睡眠

第31回 4月号

 

ぽかぽか陽気に誘われてついウトウト……。「春眠暁を覚えず」という言葉があるように、春は眠くなりやすい季節ですが、実はきちんとした理由があったのです!

実は眠りにとって過酷な季節、その理由は、大きく分けて3つ考えられると言います。

 

●環境の変化

入学や入社などの転機や初めての人との出会いなど、春は環境の変化が大きくなりやすい季節。

慣れない状況による疲れやストレスは心身の調子を崩し、快適な眠りを妨げる原因になります。

 

●花粉や大気汚染などのアレルギー症状

花粉や黄砂、PM2.5など、アレルギー症状を引き起こす物質が大量に飛散する春。

くしゃみや鼻水が止まらずに寝苦しかったり、薬の副作用によって日中に強い眠気に襲われたりします。

 

 

●激しい寒暖差

真冬みたいな寒さの日があるかと思えば、ぽかぽか陽気の日もある春は、1年のなかでもっとも寒暖差の激しい時期。

寒さと暑さが混在しているため、身体が気温差についていけずに自律神経が乱れやすくなります。

自律神経とは、活動モードの時に優位になる交感神経とリラックスモードの時に優位になる副交感神経からなる神経のひとつ。

このバランスが崩れると体のリズムが崩れやすくなってしまい、夜にうまく眠れなかったり、昼間に眠くなったりと睡眠に影響が出やすくなります。

 

意外にも、眠りにとっては辛い季節だという春。

 

眠気が続いたり、寝つきが悪くなったりするほかにも、ぼーっとしたり落ち込みやすくなるという経験をしたことはありませんか?

そういった不調も眠りと関係していると考えられています。

「睡眠不足は、ぐっすり眠れたときよりも交感神経の緊張が大きく強くなるため、心理的なストレスを受けやすくなったり情緒不安定になりやすかったりするとことがわかっています。

また、意思決定やコミュニケーション、感情の抑制や集中力などに影響していて『心の脳』と言われる脳の前頭前野の働きが鈍くなる傾向も。

理性や冷静さが失われて感情的になったり、ネガティブになったりします」

 

睡眠の質を上げて元気に!春の睡眠トラブル解消方法

 

①香りを活用する

嗅覚は、五感のなかで唯一脳にダイレクトに伝わる感覚。

その特性を活かして、香りを嗅ぐことで脳へ直接刺激を与えて自律神経のバランスを整えます。

副交感神経を優位にして「眠りモード」に入りたい夜は、寝る前にリラックスする香りを嗅いでみてください。

おすすめの香りはラベンダー、ベルガモット、カモミール、ヒノキ、オレンジなどです。

反対に、交感神経を優位にしてシャキッと目覚めたい朝にはスッキリする香りを。

ミント、グレープフルーツ、ローズマリー、ローズウッドなどがおすすめです。

 

②寝具を調整&見直す

寝具は睡眠の快適度を左右する大事なアイテム。

1日のなかで温度差が激しい春は、薄手の羽毛布団を1枚用意しておくと重宝します。

寒すぎても暑すぎても眠りにくいので、羽毛布団で心地よいと感じる温度に調整しましょう。

花粉症が辛い人は、布団や枕のカバーを見直してみてください。

最近は花粉がつきにくいタイプなど、花粉対策ができる寝具があるので利用してみるのも良いでしょう。

枕の高さもタオルケットや毛布などで調整して、今の自分に合った高さにするのも効果的です。

 

③昼寝をする

眠くて仕方ない、昼間ぼーっとしてしまうという人には、昼寝がおすすめ。

短い時間でも眠ることでスッキリするうえ、認知症や心臓病のリスクを下げるといった健康効果が期待できると言われています。

ただし、15時までに20分以内にとどめるのがポイント。15時以降、20分以上の昼寝は夜の睡眠に影響を及ぼしてしまったり、昼寝から得られる健康のメリットがリスクになってしまったりするので注意です。

ちなみに、ベッドや横になって眠ると深い睡眠に入ってしまい、20分以内に起きずらくなってしまうので、昼寝は椅子で行うようにしましょう。

 

④浴びる光にメリハリをつける

眠りにおいて、「光」は重要なキーワード。

私たちの身体は、朝起きてすぐに窓際に立って15秒間目の中に光を入れると活動のスイッチが入ると同時に、ここから約14〜16時間後に眠くなるように“予約のスイッチ”である睡眠ホルモンが分泌され始めます。

つまり、朝はたっぷり光を浴びて、夜は就寝1時間前から暗くする……というようにメリハリをつけることが、睡眠の質を上げるコツです。

同時に、自律神経のバランスを整えることにも繋がります。

春は日差しが強くなるので昼と夜の光のメリハリをつけやすい季節です。春の日差しを活かして、快眠に繋げましょう!

 

また、自律神経の調整として当院の一本鍼治療をして身体のコリを緩めるとより睡眠の質が向上します。

 

カフェイン依存

 

第32回 5月号

 

身近な飲料や食品に含まれるカフェインには眠気を抑えるメリットがある一方で摂取しすぎると体調が悪化するリスクがあります。

カフェインを過剰摂取すると中枢神経系や消化器官を刺激しめまい、心拍数の増加、不眠、嘔吐などの症状が出たりします。

眠気やだるさの解消で飲み続けて中毒になる人がいるようで錠剤はコーヒーやエナジードリンクよりも大量に摂取できてしまうので特に注意が必要です。

日本中毒学会によると11年度からの5年間でカフェイン中毒で救急搬送された人は101人。このうち3人が死亡しました。中毒の原因は97人が錠剤タイプの眠気防止薬、10人がエナジードリンクなどの清涼飲料水でした。搬送者は10代後半から20代が中心でした。

カフェインにより眠気を抑えることや仕事や試験勉強のプレッシャーから元気を得ようとして最も身近なエナジードリンクに頼り始めます。最初は効き目があったものの段々と効き目が薄くなって市販の錠剤を常用し依存状態になるケースが目立ちます。

カフェインが悪いのではなく問題は飲む量です。摂取しすぎないことが重要ですので気を付けることが大事です。

食中毒の予防

 

第33回 6月号

 

高温多湿の梅雨~夏の時期は、食中毒の原因となる細菌が増えやすいシーズンです。

O-157などの「腸管出血性大腸菌」や「カンピロバクター」、「サルモネラ」など、主に食肉に付着しやすい細菌での食中毒がよく見られます。ちなみに、サルモネラは卵にも付着します。

細菌による食中毒対策としては、「付けない・増やさない・やっつける」の3原則がよく知られています。

ひとつずつ見ていきましょう。

 

①食材だけでなく手洗い・調理器具洗いも徹底して、細菌を「付けない」

調理の際は食材を洗うだけでなく、手や調理器具もこまめに洗いましょう。特に調理前の手は、石けんで指と爪の間や指の付け根、手の甲などもしっかり洗います。

また肉・魚を扱った包丁やまな板でそのまま他の食材を調理するのは避けましょう。すぐに洗って熱湯をかけるなどで消毒します。

肉を焼きながら食べる際は、生肉と他の食材が皿の上などで触れないように注意し、生肉用の箸やトングと、他の食材用のものを分けるようにします。

 

速やかに低温の場所へ収納・保存して、細菌を「増やさない」

食材や料理を、高温多湿の細菌が増えやすい環境に長く置かないことも重要です。

肉・魚を購入したらそれぞれ分けてポリ袋などに包み、できるだけ早めに持ち帰りましょう。

時間がかかる場合は保冷剤・氷などで冷やしながら持ち帰るのがおすすめです。

持ち帰り後は包んだまますぐに冷蔵庫へ。

作り置きや残った料理などを保管する場合は作業前に手を洗ってから清潔な容器に移し、こちらも冷蔵庫へ入れます。

温度が下がりやすくなるよう、できるだけ小分けにするのがポイントです。

冷蔵庫の詰め過ぎも、庫内の温度が上がりやすいので避けるようにしましょう。

 

③食材は加熱調理、調理器具は熱湯・消毒で、細菌を「やっつける」

多くの細菌は加熱で死滅させられます。

加熱調理する際は中心までしっかりと火を通しましょう。

目安は「中心部分が75℃以上の状態で1分以上」(二枚貝などノロウイルス汚染の恐れがある食材の場合は85℃以上)とされています。

加熱調理で細菌を死滅させても、その後使う調理器具に細菌がついていては台無しです。

肉・魚などの食材を扱った調理器具は、こちらも熱湯や消毒液をかけるなどして細菌をやっつけておきましょう。

老化は治療できる?

 

第34回 7月号

 

加齢と共に体内に溜まり続ける老化細胞が引き起こす慢性炎症により、周囲の健康な細胞も徐々に機能低下していく「老化のメカニズム」が近年の研究で明らかになり、老化細胞を除去して老化を治療する研究が世界中ですすめられています。

私たちが老化治療(若返り治療)の恩恵を受けられるのは早くて2040年頃と言われていますが、細胞の老化を遅らせるうえで大切なのは

①バランスの取れた食事

②質の良い睡眠

③ストレスを溜めない、解消する

です。

 

食生活

老化防止と健康維持には食生活を整えることが最も大事だと考えられていす。理想的な食事は「和食」です。

具体的には

❶規則正しく3食 

❷野菜、海藻を1日350g以上

❸就寝3時間前に食事を終える

❹よく噛む

❺塩分は控えめ

❻糖分は控えめ

❼禁煙

❽ほどよい飲酒

 

運動習慣

週2~3回の適度な有酸素運動、筋トレが効果的です。ラヂオ体操やストレッチなどを行いましょう。

 

睡眠

1日は24時間ですが人間の体内時計は24時間10分周期の生体リズムを刻んでいます。24時間との10分差を修正しリセットするのは「朝の日の光」で「朝食」も生体リズムを整えてくれます。

睡眠時間は7時間前後が最適と考えられていて10時間以上眠る人の平均死亡率は7時間睡眠の人と比べ1.8倍程度高く、4時間以下の場合の平均死亡率も7時間睡眠と比べて1.6倍高くなっています。

 

ストレス解消

ストレスを溜め込むと慢性的なストレスホルモンの分泌によるイライラや血管収縮、血圧上昇、テロメラーゼ酵素の分泌抑制による細胞老化が促進します。

テロメラーゼは、短くなってしまったテロメアの塩基配列を伸長する酵素です。
テロメアが伸びれば、細胞老化までの時間を引き延ばすことができます。

今後予定されている老化治療(若返り治療)

世界各国で老化治療の研究が進み、日本でも研究事業が進んでいます。

東大や順天堂大学で研究が進められており10年後には「老化細胞除去ワクチン」の臨床試験が始まる予定です。

また20年後には老化細胞除去による老化治療(若返り治療)が実用化される予定です。

湿布の貼りすぎに注意

 

第35回 8月号

筋肉痛や関節痛に手軽に貼れる湿布薬は,特に日本では大変よく売られています.湿布はパップ剤とも呼ばれ,その語源は「どろどろしたもの」であり,紀元前から皮膚に塗って使われていたようです。

 

日本で湿布薬が医薬品として発売されたのはわりと最近のことです.今のような布状のシートに薬剤を伸ばして付着させる技術は意外と難しく,その開発に数十年を要したからであるといわれています。

 

痛くてつい湿布を貼ってしまう、1日で1袋近く使ってしまうといった経験はありませんか?

 

痛み止めでも飲み薬は、体に吸収されてから全身に回って効果を及ぼしますが、胃が荒れる、腎臓に負担をかけるなどの副作用も引き起こすことがあります。

 

一方で、貼り薬は痛みを感じる箇所に直接貼ることで効果を及ぼし、体内への吸収がすくないため、全身の副作用を減らすことができます。しかしそれも使用量が増えてくると皮膚から吸収される量が増えてしまい、飲み薬と変わらなくなることがあります。

 

例えば、ロキソプロフェンテープでは50mgなら16枚でロキソプロフェン錠1錠、ケトプロフェンテープ40mgなら5枚で内服1日分に相当します。

 

他にも吸収率がよいため、1日2枚までの使用制限と他の鎮痛剤を一緒に使わないよう注意が必要な製品もあります。

 

痛みが強いとついつい鎮痛剤には頼ってしまいがちなのです。

 

例えば過去に何度も胃潰瘍からの出血で吐血をくり返していた方がいました。その度に上部消化管内視鏡が行われ,難治性の胃潰瘍を指摘されては止血処置をうけ,ピロリ菌の除菌やガストリンの測定までされていたにもかかわらず,症状が軽快しては再発する,ということをくり返していました。

 

診察したところ,背中から腰に7枚の湿布が貼ってありました。

 

その湿布薬は一袋が7枚で,毎日それを貼り替える生活を半年近くしていたそうで,湿布に含まれる薬剤であるNSAIDsが難治性潰瘍の原因と思われました。

 

湿布のNSAIDsによる腎不全や消化性潰瘍の報告は散見され,湿布も用量が多いと腎不全になって透析をしないといけなくなったり,さまざま重篤な合併症を起こしたりする例もあるようです。

 

ドラッグストアなどで処方箋がなくても買えるので、気軽に痛い所に貼れます。湿布薬はお薬ですからきっちり用量を守って使うことが大切で,当然副作用もあることを忘れてはいけません。

 

●湿布の種類

「温湿布」にはトウガラシ成分のカプサイシンが配合されており、ヒリヒリ、ポカポカした感じを、また、「冷湿布」や「テープ剤」には、メントールが配合されており、スース―、ヒヤヒヤした感じを、といったふうに、「皮膚の感覚」に違いを出します。 どちらも、皮膚や筋肉の温度変化はないとされています。

 

温感湿布の皮膚に合わないとかぶれやすいので注意が必要です。

 

急性の時に熱感や炎症が強い場合は冷感湿布を貼るより、氷嚢などで冷やす、アイシングが有効なので冷感と表示してますが冷やす効果はありません。

湿布も用法、用量をしっかり守って、適度に使用なさってください

腸活(腸内細菌)

第36回 9月号

腸内には1000種類、100兆個(1㎏~1.5㎏)の細菌が棲みついています。

乳幼児の腸内細菌は9割以上がビフィズス菌で占められており成人は善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌が7割で理想的なバランスを保っています。このバランスは60代から崩れ始め主にビフィズス菌が減少し始め、ウェルシュ菌などの悪玉菌が増加し便秘や下痢を起こしやすくなります。

そのため加齢になるほど腸内環境を整えることが大変重要になっていきます。

【腸の働き】

①食べ物の消化・吸収・排泄。

②体の免疫細胞の7割が集中(腸管免疫)

③ホルモン、消化酵素、ビタミンの生成。

④腸と脳がホルモンを介して互いに作用。(脳腸相関)

【腸内細菌の体への影響と働き】

①善玉菌(2割)・・・ビフィズス菌:健康維持、ビタミンの生成

           酪酸生成菌:老化防止、消化吸収促進

           乳酸菌:免疫強化

②悪玉菌(1割)・・・ウェルシュ菌:健康阻害、腸内腐敗

           ブドウ球菌:老化促進、細菌毒素産出

           大腸菌:便秘、下痢、発癌物質産出

③日和見菌(7割)・・・バクテロイデス:腸内環境バランス維持

            大腸菌:健康な時は働かない

            連鎖球菌:優勢な菌種助ける

【便秘と腸内細菌】

ビフィズス菌などの善玉菌は腸管の蠕動運動を促進させます。ウェルシュ菌などの悪玉菌が出す物質は腸管を麻痺させて蠕動運動を鈍らせます。

便秘は腸内細菌バランスが偏ったときに起きます。

【腸内細菌の整え方】

①和食を心がける

 腸活に役立つ食べ物

・食物繊維・・・善玉菌の餌:海藻、野菜、豆

・水溶性食物繊維・・・腸内を弱酸性化:根菜類、大麦

・不溶性食物繊維・・・便通改善:干し椎茸、きな粉

・発酵食品・・・善玉菌を刺激:大豆食品、甘酒

       蠕動運動を促進:チーズ、漬物

・オリゴ糖・・・善玉菌を増やす:バナナ、はちみつ

       ビフィズス菌の餌:玉ねぎ、牛乳

・EPA・・・腸内環境を整える:青魚

・DHA・・・腸内炎症を抑える:鮭、アマニ油

②運動

③良い睡眠

④ストレス解消

❺一本鍼治療

首、背中を治療することで自律神経が整い、腰、臀部を緩めることで腸の蠕動運動が促進します。食事と合わせて一本鍼治療を行うとより効果的です。

コロナ禍で痛風患者増加!?

第37回 10月号

 

一般社団法人日本生活習慣病予防協会が医師を対象にしたアンケートによると、コロナ禍で痛風や高尿酸血症患者が3割以上増加したとの結果が発表されています。

 

 このアンケートは、新型コロナウイルスによる社会的影響が顕著になった昨年春から夏にかけて実施されたものです。増加の背景には、新型コロナ対策によって生じた仕事や生活環境の変化が要因となっている可能性もあると分析しています。

 

 現在、成人男性の5人に1人は痛風予備軍とされており、痛風は決して珍しい病気ではなくなっています。痛風にははっきりとした3つの特徴があります。

 

 まず、痛風患者の9割以上が男性であること。それから、初発作は35歳から45歳の年代が最も多いこと。さらに、つらい痛みを起こす場所の7割は「右足の親指付け根」といった具合だ。

 

「水分不足になりがちな初夏から秋に初めて痛風発作を起こす患者が増える傾向があります」(くきどめ整形外科・久木留伸典院長)

そもそも、痛風とは、体内で処理できなくなった「尿酸」が関節などに蓄積したのち、それが何かのきっかけで剥がれ落ちることで白血球が反応して激しい炎症を起こす病気です。

この結晶となった尿酸が激痛の原因となっています。

尿酸値の正常値は7.0mg/dL以下です。

(これは血液1dL中に溶けきれる尿酸量が7.0mgまでという意味で、それ以上の溶けきれない尿酸が結晶となり関節に徐々に蓄積していきます)

 

ここで出てくるのが、よく耳にする「プリン体」です。

プリン体が体内で分解されると尿酸ができるので、よく、「痛風防止のためにプリン体を多く含むレバーやあん肝などの食材やビールなどの飲料を控えよう」などといわれています。

 

このように、長いこと“痛風発作=プリン体悪玉説”が浸透してきましたが、最近の痛風治療では、「プリン体が原因であることは変わらないが、プリン体を多く含む食材、飲料を控えれば、必ずしも防げるというものではない」という見解も出てきています。

 

 なぜなら、食事などを通して体外から取り入れられるプリン体は、体内のプリン体全体のうち、2~3割にすぎないだからです。残りの7~8割は食事に関係なく、体内で生成されます。

つまり、いくらレバーやビールを控えても、その行動が影響を与えるのは体内の全プリン体の多くて三割で、制御に限界があることがわかります。

 

 つい最近まで、いや今でも痛風予備軍の男性陣の間では、“痛風が怖いからビールはやめて、プリン体が少ない焼酎やウイスキーなどの蒸留酒を飲もう”という認識が存在します。

 

 だが、実はアルコール自体が尿酸生成を促進することが確認されています。アルコール度数が高ければ、尿酸も多く生成される傾向にあります。

つまり、焼酎は安心だといってとビールよりもアルコール度数が高い焼酎をガバガバ飲んでいると、かえって痛風発作リスクが高まることもあり得るわけです。

                    DIAMOND onlineより一部引用)

★痛風にならないための生活習慣

肥満を改善する

②プリン体を多く含む食品に注意する

野菜を十分に取る

④水分をしっかり取る

アルコールは適量にする

⑥適度な運動を継続する

 

これらに注意をして生活することが大事なのですが、それでもなかなか改善しない場合は投薬治療となりますので尿酸値が高い方はなるべく早めに医療機関を受診しましょう。

関節に尿酸結晶が蓄積する前に尿酸コントロールをすることがとても重要です。

自律神経と免疫

第38回 11月号
 
 
「病気は、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズに行かなくなって免疫が低下することによって起こり、交感神経と副交感神経を整える(活性化する)ことで免疫を高めて病気を治すことができます」
 
 
これを福田-安保理論といいます
 
 
自律神経とは、我々の意志とは無関係に体の働きを調節している神経です。夜眠っているときにも心臓が止まったり、呼吸が途絶えたりしないのも、自律神経が働いているためです。
 
 
自律神経には、交感神経と副交感神経とがあります。
 
 
日中は交感神経が優位になって血管を収縮させ、脈拍が上がり、呼吸数も増え、仕事や勉強に精を出すことができます。
 
反対に、睡眠時や食事中などは副交感神経が優位になって血管を拡張させ、脈拍をおさえ、呼吸数を減らし、消化を促進します。
 
このように、交感神経と副交感神経がバランスよく働くことで、我々は日々の生活を送っています。
 
 
この自律神経のバランスがくずれて一方に偏った状態が続くと、自律神経失調状態になります。自律神経失調状態が進むと、不眠やイライラ、頭痛、さらにはガンやリウマチ、アトピー性皮膚炎といったさまざまな病気が引き起こされてきます。
 
 
免疫とは体を病気から守るしくみで、主に血液中の白血球がその役割を担っています。
 
血液中の主な成分は、赤血球白血球血小板などがあります。
 
赤血球は酸素や栄養を体の細胞に運ぶ役目をします。
 
 
白血球は免疫の主役で、大きく分けて顆粒球、リンパ球、マクロファージがあります。
 
顆粒球は細菌などのサイズが大きな異物を食べて処理し、リンパ球はウイルスやガン細胞といったサイズの小さな異物にくっついて処理するという具合に、異物の大きさによって役割が分かれます。
マクロファージは処理した異物と顆粒球やリンパ球の死骸を処理する働きがあります。
 
血小板は血液を固まりやすくする成分で、血管を修復したり、けがをしたときのかさぶたとなったりします。
 
 
ここで大切なのが、顆粒球とリンパ球の割合です。
 
通常は、顆粒球が54~60%、リンパ球が35~41%、マクロファージが約5%となっています。日中と夜間、また季節によって割合の変動はありますが、だいたいこの中におさまっていればよいでしょう。
 
福田-安保理論は、自律神経と免疫が連動していることを証明しました。
 
交感神経優位だと顆粒球が増え、副交感神経優位だとリンパ球が増えるのです。
 
現代人は、ストレスによって交感神経優位の状態が続きやすい環境にあります。働きすぎ、心の悩み、痛み止めの長期使用などによって交感神経が優位になり、顆粒球が増えた状態が続きます。
 
顆粒球の寿命は2~3日で、死ぬときに大量に活性酸素を放出します。体内の活性酸素の7~8割は顆粒球が放出したものです。
 
活性酸素はとても大切な働きをしますが、増えすぎるとその強力な酸化力で臓器や血管などに障害を引き起こします。
 
動脈硬化、ガンといった症状や病気の引き金となるのです。加えて、交感神経緊張状態だとリンパ球が減っており、ガンに抵抗することができません。
 
したがって、病気を予防したり治したりするには、自律神経のバランスを整えればよいわけです。
                                                                                             日本自律神経病研究会より引用
 
一本鍼治療は筋緊張を緩和し自律神経バランス(活性化)を整える治療ですので大変効果的です。
 
 
 

機能性ディスペプシア

第39回 12月号

食べるとお腹が張る、もたれる、胃が痛い、などの症状があるのに、検査をしても、胃炎、胃潰瘍、癌などの病気は見当たらないもの。

機能性胃腸症、非潰瘍性胃腸症、神経性胃炎、胃下垂、慢性胃炎、上腹部愁訴、胃アトニーなど、いろいろな呼ばれ方がされますが、これらは、機能性ディスペプシア(FD)とされます。

症状

①「食後の不調」

食事開始後、すぐにおなかいっぱいになってそれ以上食べられない「早期満腹感」や食後に胃がもたれたり、張ったりする「食後膨満感」がでる場合もあります。

「みぞおちの不調」

食後や空腹時に、みぞおちの痛みである「心窩部痛」(しんかぶつう)やみぞおちが焼けるように感じる「心窩部灼熱感」があります。

             集英社 「胃は歳をとらない(三輪 洋人著)」より引用)

原因

今現在考えられているものとしてはストレス、身体の疲れ、食習慣、カフェイン、アルコール、喫煙、薬の影響(痛み止めの常用など)、体質、ピロリ菌感染など様々ですが一番の原因としては「精神的ストレス」による自律神経バランスの乱れではないかと考えられています。

治療

・投薬(消化管運動機能改善薬、胃酸分泌抑制薬、消化酵素製剤、ピロリ菌除菌薬)、漢方薬

・生活習慣の改善(睡眠、食事、運動)

 カフェイン、アルコール、喫煙を控える

・鍼治療による筋緊張の改善を行い自律神経バランスを整える。

冷え性

第40回 1月号

冷え性を招く原因

①ストレスや不規則な生活などにより自律神経バランスが崩れ体温調節機能が低下する。

②筋肉量が少ないため熱の産生ができない。

③靴や下着による締め付けでの血行不良。

④貧血や低血圧。

冷え性の予防

身体を締め付ける衣服や靴は避ける。   

②38~40度くらいのぬるめの湯にゆっくりつかる。

③十分な睡眠。   

④ウォーキングやストレッチの適度な運動。

⑤手足、お腹をあたためる。

女性は男性と比べて熱を生産する筋肉量が少なく、月経で貧血になりやすいほか、特に更年期はホルモンバランスが変化しやすく、自律神経に影響を及ぼします。また、一般に女性は皮下脂肪が多く、寒さに強いと言われますが、脂肪は一度冷えると温まりにくい性質があります。

                                                      (全国健康保険協会より引用)

筋緊張が強いと自律神経バランスが崩れますので首、肩、背中のコリを緩めることも重要です。

有酸素運動

 

第41回 2月号

 有酸素運動とは、筋肉を収縮させる際のエネルギーに、酸素を使う運動のことをいいます。ウォーキングや水泳、自転車などで筋肉を収縮する際、エネルギーに酸素を使うのが特徴です。

 

 そのため酸素とともに体内の糖質や脂質をエネルギー源として使うため、脂肪燃焼や生活習慣病の予防・改善などの効果が期待できます。

 

有酸素運動のメカニズム

  体を動かすには筋肉を収縮させるためにATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーが必要になります。このATPは身体の中に貯蔵してある「糖質(グリコーゲン)と体脂肪」です。

 

 このエネルギー源の糖質は筋肉や肝臓に貯蔵され、余った分は中性脂肪として体内に蓄えられています。

 

 運動を始めると初めに筋肉、肝臓に貯蔵されていた糖質が二酸化炭素と水に分解され、その過程で産生されたATPが筋肉を動かすエネルギー源として使われます。そしてこの糖質がなくなると次に体脂肪がエネルギー源として使われます。

 

有酸素運動の効果

 

①脂肪の燃焼

 有酸素運動は、筋肉を動かすエネルギー源の一つとして体に蓄えられた体脂肪を使いますのでダイエット効果を発揮します。

 

②心肺機能の向上

 ウォーキングやランニング、水泳などの有酸素運動を継続することで、心肺機能が向上でします。スタミナがつき、疲れにくく、息が上がりにくい体になります。

 

基礎代謝が上がる

 加齢とともに低下する基礎代謝の向上には、体を動かすことが欠かせません。軽い負荷をかけつつ、時間をかけて体を動かす有酸素運動は、基礎代謝アップにも効果的です。汗をかいたり、筋肉に刺激を与えたりすることで、新陳代謝もアップします

 

 糖尿病の方が有酸素運動を行うことで体脂肪が減少すると、血糖値を下げる作用を持つ「インスリン」というホルモンの効き(インスリン抵抗性)が良くなり血糖値が改善します。

④骨粗しょう症の予防

 ウォーキングやジョギングのような有酸素運動は、骨粗しょう症の予防に効果的であるといわれています

 骨粗しょう症の予防には、骨を形成するカルシウムやマグネシウム、カルシウムの吸収を促進するビタミンDなどの栄養素をバランスよく摂取することの他、骨に負荷の加わる運動が必要です。

 

 ウォーキングやジョギング、エアロビクスなどの有酸素運動や筋トレなどは、適度に骨に刺激を与えるため、骨粗しょう症の予防につながります。

 

 また自転車をこぎ続けるサイクリングや水泳(水中運動)も有酸素運動に該当しますがこれらの運動は骨への刺激(振動)がないため骨粗鬆症の改善にはならないと考えられます。

⑤高血圧の改善

運動を行うことで全身の筋肉が酸素とエネルギーを必要とするため、血圧が上昇します。そうすると、体内ではホルモンが血圧を下げるように働きます。そのため血圧を下げる働きかけによって、血圧の安定も期待できます。

 

有酸素運動の目安

 

 体脂肪、特に内臓脂肪を減少させるための有酸素運動の目安はウォーキング もしくはジョギングを 30分/日を週3~4回が一つの目安です。

 また、その際の目標心拍数は (220−年齢−安静時心拍数)×運動強度+安静時心拍数で求められます。(運動強度は50%~60%)

 たとえば50歳で安静心拍数が65、運動強度50%の場合ですと

(220-50-65)×50%+65=117.5となります。

 ただこれは個人の体力、体調によります。

 あくまで無理のない範囲で行うことが大事です。また日頃から駅のエスカレータやエレベーターなどを使わずに歩くことで運動不足にならないように心がけて日常生活を送ることも大変重要です。                    

ディスプレイ頭痛

 第42回 3月号

 

 近年、スマートフォンやパソコンの操作の増加に伴い首、肩、背中および目に負担が多く掛かり筋肉のコリ感や眼精疲労から頭痛(緊張性頭痛)を招いてしまう方が増えています。

 

この頭痛は慢性頭痛の中で最も多いと言われています。

 

 後頭部から首にかけての痛みと頭の周囲を締め付けられるような痛みが現れます。この頭痛は吐き気などを伴うことはなくお風呂に浸かったり、軽い運動など血流をよくすると軽減するのが特徴です。

 

目を酷使すると首の奥にある後頭下筋群という小さい筋肉に負担がかかります。

 この筋肉は人間が目でものを見るときに頭を動かさないようにする働きがあります。これはカメラで例えると何かを撮影するときに手ブレが起きないようにする働きと同じです。

 

つまり何かものを見ること自体がもう既にこの筋肉に負担をかけているのです。そういう意味ではパソコンやスマートフォンを長時間扱うということは周りの筋肉に相当の負担を掛け頭痛の原因になっていると考えられます。

 

頭痛を和らげるためにはは目や首へのホットタオルや入浴で筋肉を温めて血流をよくしたり、軽い運動やストレッチで全身の血流をよくすることが重要です。

理想的な睡眠習慣

 第43回 4月号

睡眠不足は脳の老廃物が溜まる原因になります。

睡眠時間を「6時間以下」、「6~7時間」、「7時間以上」の3つに分けると脳の老廃物が一番溜まっているのは「6時間以下」という結果がでているそうです。

一方で一日7時間の睡眠習慣はもっとも脳がクリアになるという結果で出ているようです。また寝付く時間帯も0時前に寝ることが大事だそうです。

普段なかなか良質な睡眠がとれない方は「プラズマローゲン」というサプリメントを摂取すると改善しやすいです。

是非ご利用ください。

 

脳の働きを助ける食品

 第44回 5月号

 

脳は身体の中で多くのエネルギーを消費します.

(1日に消費するエネルギーの20%は脳が消費)

脳疲労の回復には良い栄養素が必要です。

 

❶ブドウ糖(脳の大事なエネルギー源)

  小麦やお米、イモ類。玄米。

 

❷抗酸化物質(脳のダメージ軽減

  緑茶、チョコレート、大豆製品。

 

❸質の良い油(記憶力維持、改善)

  DHA、EPAなどのオメガ脂肪酸。

  オリーブ油や亜麻仁油、アボガド、ナッツ類。

 

❹ビタミン(脳神経の働き)

  玄米や緑黄色野菜。

 

❺アミノ酸(脳機能の維持)

  肉類、魚介類、チーズ(発酵食品)、大豆製品。

一つのものを多く取るのではなくバランスの良い食生活を送ることが脳の健康につながります。

 

頭のコリ

 第45回 6月号

 

頭皮がガチガチになっていませんか?

仕事などで日常的に目を酷使したり、ストレスなどにより歯を食いしばる癖があったりすると、知らず知らずのうちに頭皮が凝ってガチガチに硬くなっていることがあります。

 

頭皮のコリはあまり意識したことがないという人が多いかもしれませんが、頭皮のコリをほぐすと、肩こりの緩和や頭痛予防、深くい眠れる、などさまざまな効果が期待できます。

 

頭皮のコリの原因は、頭の筋肉(前頭筋、側頭筋、後頭筋)や帽状腱膜の過緊張、肩や首、背中などの凝りは気になるけれど、頭皮の凝りはあまり自覚したことがなかった、という人も多いかもしれません。

 

体の筋肉の多くは関節を動かすことなどで血流が促され、凝りの要因となる筋肉の緊張を和らげることができます。一方、関節のない頭部の筋肉は自力で積極的に動かすことが難しいため、皮下にある頭部の筋肉や腱膜に硬さが生じやすくなります。このため、頭皮の凝りは、肩こりなどと比べて改善されにくい傾向にあります。

 

頭皮のコリの要因①

前頭筋~帽状腱膜~後頭筋の過緊張、頭部の前方にある前頭筋は、頭頂部へ続く帽状腱膜とつながり、さらに後頭部の後頭筋膜へとつながっています。

 

悪い姿勢で長時間のデスクワークなどを続けると、肩や背中の筋肉が凝り固まったり、ストレスなどによって自律神経の交感神経が優位になると、筋肉が過度な緊張を起こし、頭部の筋肉や腱膜も影響を受けやすくなります。

 

また、目を酷使したり、度数が合わないメガネを使用していたりすると、目を細めて物を見ようとする傾向が強くなります。これにより、目を閉じる働きを持つ目のまわりの筋肉の眼輪筋が疲労を起こし、その影響で前頭筋に凝りが生じる場合もあります。

 

最初に硬さが生じるのは前頭筋など一部であっても、頭部の筋肉は全てつながっているため、帽状腱膜や後頭筋など別の部分にまで影響が及ぶようになります。

このため、頭部の表面にある頭皮にもコリや硬さが生じることになります。

主に後頭部や頭の両側、首筋などにかけて頭が締め付けられるような痛みが生じる「緊張型頭痛」の一因になる場合もあります。

 

頭皮の凝りの要因②

頭部の側面にある側頭筋は、顎関節がくかんせつの動きに関係しています。強いストレスを抱えていたりすると、就寝中に歯ぎしりや食いしばりをしたり、起きているときでも無意識のうちに歯をぎゅっと噛みしめたりしていることが多くなります。

 

その結果、顎関節への負荷が大きくなるため、側頭筋の緊張も強くなり、凝りが生じやすくなります。

 

歯に痛みがある、歯の詰め物が合わない、食事のときに口の片側だけで咀嚼そしゃくする癖がある、といった場合も側頭筋が凝りやすく、また凝りの左右差も出やすくなるので注意が必要です。

 

こうして生まれた頭凝りが、また、新たなストレスとなり、頭凝りをさらに増強させ、ここに悪循環が成立します。頭凝りにならないためには、仕事の合間、合間に首や肩をもみほぐす、軽いストレッチ体操をするのがいいでしょう。そして、仕事にメリハリをつけ、思い切った気分転換をはかることです。

 

日焼け(紫外線)

第46回 7月号

 日焼けとは「紫外線」を身体に浴びることで起こる皮膚の炎症や色素沈着などの症状のことです。

 ★紫外線は、「UV-A」「UV-B」「UV-C」の3種類に分類されます。

❶ UV-A

  人間の肌(皮膚)の奥深くまで届く紫外線でシミやしわの発生に関与します。

❷ UV-B

  オゾン層で遮られるため地表に届くのは一部ですが皮膚のDNAを障害する可能性のある紫外線です。

❸ UV-C

   地表に届かない紫外線。

 

 ★日焼けは「サンバーン」と「サンタン」に分類されます。

❶サンバーン

 紫外線のUV-Bを浴びることで皮膚が赤く炎症を起こす日焼け。数時間で肌に赤みやヒリヒリした感覚を発生させます。

❷サンタン

 紫外線のUV-Aに当たって数日後に皮膚が黒く変色(色素沈着)する現象のこと。数日で消えるサンバーンに比べてサンタンは数週間から数カ月続くことがあります。

 

日焼けは肌に様々な影響を及ぼします。シミ、しわ、たるみ、皮膚がんの原因となります。

 

日焼けの予防法

日傘、帽子、サングラスを活用する。

❷日焼け止めを使う。

 「SPF」・・・UV-Bを防ぐ指標。1~50の間で表記。50以上は50+と表記されています。

 「PA」・・・UV-Aを防ぐ指標。+の数が多いほど効果が大きい。最大値は+が4つ。

日焼け止めは2~3時間おきに塗りなおすことが重要です。

 

夏だけに限らず一年を通して紫外線の悪影響を受けないように気をつけましょう。

夏のスキンケア

第47回 8月号

 

皮膚は日差しや高温により、常にストレスを受けています。夏場のスキンケアは最も重要と言えるでしょう

特に、紫外線は肌の老化を早める一因となります。

どんなスキンケアがおすすめなのでしょうか❓

❶「✨肌を清潔に保つこと」です✨

朝晩の洗顔はもちろん、汗をかいた際にもこまめに洗顔を行いましょう

 

❷肌に潤いを与える「保湿」です

化粧水や乳液、クリームを使って、肌から水分が蒸発するのを防ぎ、乾燥から守ります

 

内側から肌を守るためには、栄養バランスの良い食事が重要です

ビタミンCやEなどの栄養素を摂取することで、肌を健康に保つことがつながります

 

❸「睡眠」

睡眠中は肌の修復作業が行われるからです

 
一緒に暑さを乗り切り、美しい肌を目指しましょう!!

ウォーキングとヨガで健康を

第48回 9月号

❶ ウォーキングチャレンジ

過ごしやすい気候が続きます近くの公園を1周する、または家から駅まで歩く。

小さな行動が体の健康維持に貢献します

目標は毎日30分のウォーキング✨

 

❷ ヨガチャレンジ

心と体のバランスを整える効果があります

深呼吸とともに、体をゆっくりと動かす。毎日5分間でも、床に座り、深呼吸を行う。

心地よい疲労感と共に、心の平穏を感じるでしょう。

 

❸ 栄養バランスチャレンジ

1日3食をきちんと摂る

毎食に野菜を取り入れる

季節の変わり目は、体調を崩しやすい時期

栄養バランスを考えた食事を心がけ、健康維持に努めましょう

秋の始まりとともに、新たなチャレンジを始めてみませんか❓

 

水分補給の秋
健康と美容を守る重要な理由

第49回 10月号

気温の変化や乾燥で水分補給が重要になります。

今回は秋でも水分補給がなぜ重要なのかをお伝えします

 

❶ 水分の代謝への関与

 体温の調節や栄養の運搬、老廃物の排出などがスムーズに行われます。

 

❷乾燥による影響

 肌や粘膜の乾燥や口内の渇きが起こります。

 

❸免疫力の維持

 体内の免疫細胞や抗体の働きを活性化させ、病原体への防御をサポートします。

 

『水分補給の方法』

❶ 水を中心に摂取する

お茶やスポーツドリンクも選択肢の一つですが、砂糖やカフェインの摂取には注意しましょう‍。

 

❷ 食事からの水分摂取

特にスープやスムージーなど水分の多い食品を選ぶと効果的です。

 

❸ 適切なタイミングで摂取する朝起きた直後や食事前後など、適切なタイミングで水分補給を行いましょう。

 

肌荒れを防ぐための生活習慣

第50回 11月号
 
肌トラブルがおきると憂鬱になっちゃいますよね
 
そこで今日は、普段から行える肌荒れ対策をご紹介していきます☀️
 
 
【普段からの肌荒れ対策】
 
❶バランスのよい食事をとる
 
バランスの悪い食事は肌荒れを引き起こすため、普段からバランスのよい食事をとることが重要です
抗酸化作用が高い緑黄色野菜や、コラーゲンの生成を助けるビタミンCは少なくなりがちなので、忘れないようにしましょう
 
 
❷腸内環境を整える
 
腸内環境が悪いと、便秘になりやすい状態となってしまいます
ヨーグルトなどの発酵食品やきのこなどの食物繊維が豊富な食べ物をとり、腸内環境を整えましょう✨
 
 
❸睡眠をしっかりととる
 
睡眠中に成長ホルモンが分泌され、肌が新しく生成されています
最低でも6時間は睡眠が必要だと言われているので、できるだけ8時間以上は睡眠をとるようにしましょう
また、寝る時間を一定にすることも重要です⏰
 
 
普段の生活が肌荒れに関わると言われています
 
生活習慣をよくして、美しい肌を維持するようにしましょう
 

瞑想で心と体を整える方法

第51回 12月号

❶瞑想の健康効果を身近に

 

瞑想は不安やストレスの軽減、精神的な安定をもたらすとともに、集中力向上や感情の理解を助け、良質な睡眠を促し、免疫力を強化し、血圧を安定させます。

感情の管理向上により、生活の質も向上します。

 

❷ 基本の瞑想法でリラックス

 

瞑想の基本は深呼吸と集中です‍。

まず、穏やかで静かな場所を選んでください

そこで、目を閉じ、息を深く吸い、ゆっくりと吐くことを5分から10分間続けましょう。

この間、呼吸のリズムを整えることで、心拍数が減少し、リラックス状態へと導かれます。

 

 

❸秋の瞑想で五感を活性化

 

外での瞑想は五感を活性化します。

公園や庭で風や香りを感じながら瞑想を試してみましょう。

健康で心豊かな日々を過ごすため、瞑想を試してみてください。

 

交通事故
労働災害

ごあいさつ

院長 合木英彦

新着情報


クレジットカード
    電子マネー
 をご利用できます。

 

アクセス・営業時間

住所

〒114-0014
東京都北区田端1-16-6

JR田端駅
 山手線/京浜東北線

JR田端駅北口徒歩5分

受付時間
 
午前 ×
午後 × ×


月~金      9:00~12:00(最終受付12時)
                15:00~19:00(最終受付19時)
                 
                9:00~14:00(最終受付14時)

定休日

日曜・祝祭日

サプリメント

乳酸菌生成エキス
            (B&S corporation)
プラズマローゲン
   (B&S corporation)
鍼灸院の口コミサイト「しんきゅうコンパス」