声がれ、のどの違和感
(咽喉頭異常感症)
(ヒステリー球)

声がれ・ヒステリー球の治療動画

声がれ、ヒステリー球の治療は首、肩、背中の筋緊張をゆるめ、最後に胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)をはじめ喉まわりの筋肉をゆるめることが大変重要です。

目次

検査しても異常がない症状

 のどの症状は痛み、声がれ(かすれ)、違和感など様々な症状があります。

 

喉の違和感、喉の異物感、喉の詰まり、声がかすれる、声が出にくい、飲み込みにくいなどの症状があるにも関わらず、器質的障害(病院の検査での構造的な異常)がないケースではヒステリー球(ばいかくき)または咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)と診断されます。

 

症状は個人差や程度の差が大きいですが、総じて「喉の奥に何かが当たっているような感覚」が特徴です。それが「球」に例えられ、ヒステリー球として知られるようになりました。

 

前述のような症状が軽度で、日常生活に支障がなければあまり気に病む心配はありません。

 

しかし常に症状で悩まされるようでは、早急な治療が必要です。

 

先の症状に悩む人が内科や耳鼻咽喉科を受診したとき、まず疑われるのが以下の病気です。

 

★局所的病変

咽喉頭の悪性腫瘍・良性腫瘍|副鼻腔炎(後鼻漏)|舌根扁桃肥大|喉頭蓋の形態異常|過長茎状突起|茎突舌骨靭帯の化骨|頚椎異常|口蓋垂の過長|唾液分泌異常|食道癌|胃癌|胃下垂|食道潰瘍|食道炎|食道静脈瘤|食道憩室|アカラシア|マロリー・ワイス症候群声帯ポリープ|声帯浮腫|声帯結節|声帯腫瘤(良性)(悪性)

 

★全身的病変

甲状腺疾患|性ホルモン異常|悪性貧血|Plummer-Vinson症候群|糖尿病|強皮症

 

難しい病名が多いですが、症状だけでいえば咽頭がんやポリープ、食道疾患と似ているということです。

しかし実際に、調べてもまったくの異常なし(器質的異常なし)となればヒステリー(ばいかくき)または咽喉頭異常感症が強く疑われます。

 

症状

喉に異物感
(のどに物がつっかえたような感覚)

 ヒステリー球の一番の症状は「のどの異物感」です。

また、

   ・のどに物がつかえた感じ

   ・ものがのみこみにくい

   ・のどに固まりがある感じ

   ・のどに痰が絡む

など常に不快感があると訴える方が多いです。

 

唾液を飲みこもうとしてもうまく飲みこめないと感じる方もいらっしゃいますが、この場合、飲食物を嚥下したときには症状が現れにくいという特徴があります。

その他のヒステリー球の症状
「咳」「のどの圧迫感」

 人によって異なりますが、ヒステリー球により咳、痰、喉の痛み、喉の圧迫感、声がれ、吐き気、不安感、胸やけ、腹部膨満感(お腹が張ったような感覚)などが生じるケースがみられます。

 

また症状が現れる時間は夜間に多い、日中に多いなど差が生じたり、特定の状況下に置かれた際に症状がひどくなる場合があるようです。

原因

 ヒステリー球は様々な原因によって生じ、その原因を突き止めることは大変難しいです。
 
 
ただ、仕事などでストレスを強く受けている方が不安や疲労、緊張を強く感じた場面でヒステリー球の症状を自覚することが多いようです。

なぜストレスが原因でヒステリー球が生じるのか?

 自律神経のうち「交感神経」が活発になることが関係すると考えられます。

 

不安や緊張、精神的なショックはストレスとして私たちの体に負荷をかけます。

 

ストレスを受けると、体の自律神経のバランスが崩れて交感神経が優位になります。すると喉周りの筋肉が過剰に収縮し、食道の内腔が細く締め付けられてしまいます。

 

この結果、ヒステリー球による症状である、のどの異物感や圧迫感、嚥下時の不快感、声がれなどをきたすと考えられています。

 

 のどに器質的疾患(構造的な問題)がないのに喉に異物感がある場合、最近大きなストレスを受けていないか、疲労がたまっていないかを見直してみるとよいでしょう。

 

大きなストレスを抱えている場合、ヒステリー球である可能性を考えてみてもいいかもしれません。

治療

西洋医学的治療

 器質的疾患(構造的な問題)を認めないヒステリー球に対する確実な治療法や特効薬はありません。

 

ただし、ヒステリー球による症状を緩和する目的で薬物治療が行われる場合があり、抗不安薬や抗うつ薬の処方がされます。

 

検査上特に異常なものが見つからなければうつ病や心身症、神経症など精神的なものを疑い、心療内科をすすめられる事も多いようです。

 

また、漢方薬ですと「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」が用いられることがあります。半夏厚朴湯には気分をリラックスさせ、咳や吐き気を抑える効用があるとされています。

 

漢方薬は個人の体質によっては効果があまり感じられないこともあります。また、他の薬と同様に副作用が現れることもあるため、場合によっては胃の不快感などがみられる場合もあります。

当院の治療

 検査しても患部に器質的(構造的)な異常が見られなければ精神的なストレスによる自律神経の乱れ、または肉体的な過度の緊張(疲れ)による可能性がかなり高いと考えられるため一本鍼治療が適しています。

 

首や肩、背中の筋緊張は精神的、肉体的なストレスを生じ、本人の自覚のないまま自律神経のバランスを崩していることが考えられます。

 

それに伴い徐々に質の良い睡眠がとれなくなり、寝ても疲れが取れないため体の回復が追い付かなくなっていきます。

 

仮にその状態で安定剤や睡眠導入剤などの対症療法的な投薬を行ってもその場しのぎになってしまうことは明白です。

 

一番大事なことは疲れてしまっている体の状態を元に戻してあげることです。

 

ヒステリー球や声がれに対しての一本鍼治療では特に胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)という筋肉を緩めることが大変重要です。

 

この筋肉は、重い頭を支え続けているのに加えて精神的ストレスによる影響をとても強く受けるため大変コリやすい筋肉です。

 

そしてこの胸鎖乳突筋が硬くなると、発声にかかわる多くの筋肉が影響を受けてしまうのです。

 

首、肩、背中の治療は勿論、胸鎖乳突筋を最大限緩めることで、声帯まわりの筋肉もやわらかくなり、喉の違和感や声の出しやすさの改善に効果があります。

 

当院の治療と合わせて漢方治療もおすすめです。

 

その際は日頃からご協力いただいております医院(当院より徒歩10分位)もご紹介できますのでご希望の方は是非ご利用ください。

声がれ・ヒステリー球の治療動画

のどの違和感、声がれは胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)を緩めることがとても大事です。

ぜひお試しください。

ごあいさつ

院長 合木英彦

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