疲れ目、眼精疲労

 

眼球は、目に映る映像を脳に伝える役割をする感覚器です。

カメラにたとえると、

角膜と水晶体はレンズ”、

その間にある虹彩は目に入る光の量を調整する絞り”、

眼球の奥にある網膜はフィルムの役割をしています。

水晶体を支える毛様体筋という筋肉が伸び縮みし、水晶体の厚さを変えてピントを調節しています。

網膜に映った映像は、視神経という神経の束を通じて脳に伝わります。

また、目の表面が乾かないよう、まばたきをするたびに涙が出るしくみになっています。

涙は、角膜や結膜(目の表面の粘膜)に水分や栄養を補給し、目をうるおして保護する役割をしています。

これらの機能が連動して「ものを見る」ことが可能になります。

目を使う作業を続けることにより、目だけでなく全身に症状がおよび、休息や睡眠をとっても十分に回復しない状態が眼精疲労です。

ものを見るとき、目の水晶体という部分の厚みが変化してピントが調節されます。水晶体の厚みを変化させるのは、水晶体の周りにある

毛様体筋(もうようたいきん)

と呼ばれる筋肉です。

遠くを見るときは、毛様体筋の緊張がゆるみます。逆に、

パソコンなど近くのものを見るときには、毛様体筋が緊張する

のです。

また、スマホなどパソコンよりも近くのものを見ると、毛様体筋がさらに緊張します。

ピントを調節する毛様体筋は自律神経によって支配されているため、目を使い過ぎて毛様体筋が疲れると、

自律神経のバランスが崩れて

全身に症状があらわれると考えられています。

日常生活では、毛様体筋がゆるむことが少なく、緊張状態が持続していることが多いため、毛様体筋に大きな負担がかかり疲れ目の症状が現れるのです。 

●眼精疲労の主な症状

目の症状

目が重い、痛い、まぶしい、目がかすむ、乾いた感じがする、充血する、まぶたがピクピクする、まばたきが多くなる など

全身の症状

頭痛、首や肩のこり、イライラ感、吐き気など

眼精疲労の原因は一つでなく、様々な要因が絡み合って起こると言われています。考えられている原因には、大きく分けて目の異常、目を使う環境、全身の異常の3つがあります。

目の異常

見えづらいのに無理して見ようとすることで目の筋肉に疲労が起こります。

遠視、乱視、近視、老眼が適正に矯正されていない。

度の合わないメガネやコンタクトレンズを使っていると、無理にピントを合わせようとして毛様体筋に負担がかかる。

 ドライアイ・・・ 涙の量が少なくなったり、涙の流れが悪くなったりして目が乾くと、目の表面を保護する涙の層(涙液層)が均等でなくなり、ものがはっきり見えにくくなる。

 

作業環境

目を疲れさせるような作業環境も眼精疲労の原因となります。

長時間のVDT作業

近年、テレビ、パソコン、スマートフォンなどの画面を見すぎることにより、さまざまな症状が出るVDT症候群が問題になっています。

VDT (Visual Display Terminalの略)はそれらの画面の総称で、機器の普及と眼精疲労の増加に関連があるとされています。

集中して画面を見つめるVDT作業では

まばたきが減り、涙が目の表面から蒸発しやすくなり目の乾燥も進む

といわれています。

日々の長時間のVDT作業により目や全身の疲労が慢性化すると、仕事の能率が落ちる、気分が落ち込むなど、影響が広がると考えられています。

照明のちらつき、パソコン画面への映り込みなどの光の刺激

エアコンの風……直接、風が目に当たると涙を蒸発させ乾燥しやすくなる

紫外線、シックハウス症候群、騒音などが影響することも

全身の異常

全身の健康に問題があると、目にかかる負荷に耐える力が足りなくなってしまいます。

疲れやすい体質、夜勤や海外出張などによる生体リズムの変調など

精神的ストレス

ストレスで自律神経に影響があると、まばたきや涙の量が減り、目の疲労も進む

全身の病気

緑内障、白内障の他、脳神経疾患、高血圧、低血圧、糖尿病、自律神経失調症、月経異常など目以外の病気に伴って眼精疲労の症状が出ることも。

疲れ目、眼精疲労を予防(改善)する方法

 

パソコンと適切な距離を保つ

ツボ押しマッサージ

眼球体操

まぶたを温める

 

パソコンと適切な距離を保つ

眼精疲労を抑えるためには、正しいパソコンの使い方と対処法を身につける必要があります。

眼精疲労を起こりにくくしつつ眼精疲労を解消させましょう。パソコンを使うときは、次の3つのポイントを押さえましょう。

 

①パソコンとの距離

 

②使用時間

正しい姿勢やモニターとの距離を保っていても、長時間同じ姿勢でいると全身に負担がかかります。

そのため1時間ごとに約10分の休憩をとることが大切です。

パソコンを見るのではなく、完全にパソコンから離れてリラックスしましょう。

 

③モニターの明るさを調整する

明るすぎたり暗すぎたりするモニターは疲れ目の原因です。

丁度いい明るさに調節しましょう。

また窓から入る光がモニターに映らないように、ブラインドで遮光を。明るさを微調整したいときにはモニター用のフィルターをつけるといいでしょう。

パソコンの正しい使い方を身につけたら、次は疲れ目の対処法を確認していきましょう。

ツボ押しマッサージ

目の周りのツボは、骨があるところを指で押して、気持ちがいいと感じたところにあります。

目を押さないように注意しつつ、指でツボを強めに押しましょう。

また、こめかみや首筋、手の親指と人さし指の間にもツボがあるので、親指で揉むように刺激してください。

眼球体操

目を見開いて、眼球を大きく回します。右回りと左回りをそれぞれ数回行いましょう。体操後は、目を閉じて休んでください。

まぶたを温める

まぶたの血行をスムーズにするために、まぶたに温かいタオルをのせたり、湯のみから立ちのぼる蒸気をまぶたに当てたりしましょう。まぶたにシャワーを数分当てることも効果的です。

 

それでも疲れ目、眼精疲労でお困りなら

全身の病気(白内障、緑内障、脳神経疾患など)がなければ首や肩の筋肉のコリが強く影響していると考えられます。

更に背中の筋肉のコリが強いと自律神経が乱れるため、より症状が強く出やすくなると考えられます。

一本鍼治療でそれらの筋肉の緊張を取り除くことで症状の改善が期待できます。

是非ご利用ください。

ごあいさつ

院長 合木英彦

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