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一本鍼治療の理念(考え方)

コリ(筋硬結)とは何か?

私たちが治療の対象としている「コリ(硬結)」とは、筋肉や筋膜の動きが悪くなり、触ると分かる硬さとして感じられる部分のことです。

コリ(筋硬結)は、

 

・筋肉同士の動きが悪くなった

・筋肉と骨のつなぎ目に負担がかかり続けた

・筋膜がこわばり、滑りが悪くなった

 

といった状態が重なってできると考えられています。

 

このコリは一か所だけにポツンとできるものではなく、筋膜のつながりに沿って、複数・連続して現れることが多いのが特徴です。 

コリは「点」ではなく「ライン」で存在します

一つひとつのコリを点として見ていくと、それらはバラバラではなく、一定の流れ(硬結ライン)を持って並んでいることが分かります。

 

このラインは、筋肉や筋膜のつながり(筋膜の連動)と一致することが多く、痛みや不調が広がるパターンとも深く関係しています。

 

つまり、コリとは身体全体のバランスが崩れた結果、筋膜のネットワーク上に現れたサインとも言えます。

一本鍼治療の考え方

一本鍼治療では、筋膜の流れの中に現れるコリや反応点を見極め、一本の鍼を用いて「刺しては抜く」という操作を行います。

 

鍼を刺したままにするのではなく、刺す・抜くという一連の動作そのものを刺激(雀啄術)として用い、筋膜全体の緊張バランスが変化するきっかけをつくる施術法です。

 

そのため、「たくさん鍼を刺して長く置く」治療とは考え方が異なり、必要な場所に、必要な刺激だけを加えることを大切にしています。

「ツボ」ではなく「反応点」を大切にします

一本鍼治療は、一般的なツボに形式的に鍼をする治療とは異なります。

 

実際に触れて、「硬さ」・「違和感」・「響き」を感じるポイントといった身体が反応を示す場所(HIBIKIポイント)を見つけ、そこに的確にアプローチすることを心がけています。

 

響きの刺激を積極的に起こすことで、身体全体に変化が起こることを目指した、とても合理的な治療法です。

 

※ご注意ください!

一本鍼治療は、独特の強い「響き(ひびき)」を伴う施術です。

この響きは効果の一部でもありますが、刺激として強く感じる場合があります。

そのため、刺激が苦手な方にはおすすめしておりません。あらかじめご理解のうえ、ご検討ください。

鍼治療で血流が上がる仕組み

鍼刺激によって

 

・筋肉の緊張がゆるむ

・血管が拡張する(神経反射・局所反応)

・発痛物質や炎症物質が調整される

 

この結果、刺した部位周囲の血流は確実に増加します。

 

■ 「持続性」はどのくらいか?

研究や臨床的な感覚では

 

・施術直後〜数時間:明確に血流増加

・数日間:筋緊張が改善している間は血流が良い状態が続く

 

つまり

 

「血流そのものがずっと増え続ける」のではなく

「血流が上がりやすい状態が一定期間続く」

 

というイメージです。

 

■ なぜ持続する人・しない人がいるのか

持続性は

 

・もともとの筋緊張の強さ

・ストレス(交感神経優位)

・姿勢・生活習慣

 

に大きく左右されます。

 

例えば強いストレスが続くと、また血管は収縮しやすくなり、血流は戻ります。

 

一本鍼治療は一時的に良くするだけでなく、「血流が悪くなりにくい体」に変えていく治療です。

 

回数を重ねることで

 

・コリにくくなる

・冷えにくくなる

・回復しやすくなる

・自律神経のバランスが整う(内臓の血流が増加)

 

といった変化が出てきます。

 

■ まとめ

一本鍼治療は

 

・血流を一時的に上げる

・ その状態がしばらく続く

・ 続けることで体質が変わっていく

 

という特徴があります。

心の不調と筋肉の緊張について

この治療法は、筋肉の緊張が原因となって起こる心の不調にも効果が期待できます。

 

首・肩・背中の緊張が強い状態が続くと、身体だけでなく心にも影響が出やすくなります。

それはたとえば

 

・寝つきが悪い

・眠りが浅い

・疲れやすい

・やる気が出ない

・ちょっとしたことでイライラする

・動悸や息苦しさを感じる

・理由のはっきりしない不安感がある

 

といった症状です。

 

これらは、

「気のせい」や「性格の問題」ではなく、筋肉の緊張によって自律神経が乱れていることが原因の場合が少なくありません。

身体がゆるむと、心も自然と落ち着く

鍼治療を受けたあとに、
 
「身体だけでなく、気持ちまで楽になった」
「頭の中がスッキリした」
「イライラしにくくなった」
 
と感じる方がいらっしゃいます。
 
 
 
これは、心だけに作用しているのではなく、身体の緊張がゆるむことで、脳や自律神経の状態にも変化が起こるためと考えられます。
 
 
 
ストレスや疲労が続くと、首や肩、背中などの筋肉は無意識に緊張します。
 
 
 
身体が緊張した状態が続くと、脳にも「まだ警戒しておいたほうがいい」という情報が入り続けます。
 
 
 
鍼によって硬くなった筋肉や筋膜に刺激を与えると、筋肉の緊張や痛みの感じ方が変化します。
 
 
 
すると、これまで身体に向けられていた「警戒」の負担が少しずつ軽くなり、身体がリラックスしやすい状態へ切り替わっていきます。
 
 
 
その結果、
 
身体の緊張がゆるむ
自律神経のバランスが整いやすくなる
脳の緊張もゆるむ
「気持ちに余裕ができた」と感じる
 
 
という変化につながることがあります。
 
 
 
心の余裕は「心」だけの問題ではありません
 
 
 
私たちは、精神的なストレスを感じると身体にも力が入ります。
 
 
 
反対に、身体がずっと緊張していると、気持ちまで落ち着かなくなることがあります。
 
 
 
だからこそ、身体の緊張をゆるめることは、心の余裕を取り戻すための一つの方法になります。
 
 
「最近、身体がずっと力んでいる」
「首や肩がガチガチ」
「休んでいるのに気持ちが休まらない」
 
 
 
このような方は、心だけを休ませようとするのではなく、まず身体の緊張をゆるめてあげることも大切です。
 
 
 
身体がゆるむと、心にも少しずつ余白が生まれてきます。
 
 
 
身体を整えることが、心を整える近道です。
精神疾患についての考え方

当院の一本鍼治療は、精神疾患そのものを治療するものではありません。

 

うつ病や不安障害など、診断や専門的な治療が必要な場合は、医療機関での受診が優先されます。

 

ただし、精神的な不調に見える症状の中には、筋肉の強い緊張や自律神経の乱れが主な原因となっているケースもあります。

 

当院では、「身体の緊張を整えること」で体調の土台を支える、医療と競合しない補助的なケアとして一本鍼治療を行っています。

 

心と身体はつながっています。

 

不調が続くときこそ、まず身体から整えていく。

 

その一助として、一本鍼治療をお役立ていただけましたら幸いです。

 

ごあいさつ

院長 合木英彦

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