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ストレスによる筋肉への影響

現代人はストレスが多い

現代は「ストレス社会」と言われています。

 

少子高齢化、団塊世代の大量退職、成果主義の導入、国際競争の激化、人員削減による業務負担の増大、経済状況の悪化などにより、働く人びとを取り巻く環境はこの数十年で大きく変化しました。

 

こうした社会構造の変化に伴い、仕事でストレスを感じる人の割合だけでなく、ストレスの“質”そのものも変わってきています。

 

日本では、半数以上の人が日常的にストレスを感じているとされ、調査によっては約56〜63%の人が何らかのストレスを自覚しているという結果が報告されています。

 

現在、特に多いストレス要因として、次のようなものが挙げられます。

 

■ 人間関係

職場や身近な人との関係性が、最も大きなストレス要因となっています。

 

■ 経済・生活不安

物価上昇や生活コストの増加、将来への不安など、生活基盤に関わる問題がストレスとして強く影響しています。

 

■ SNS・社会情勢

SNSやニュースから流れ込む過激・扇情的な情報により、無意識のうちに緊張や不安が蓄積されるケースも増えています。

 

■ 仕事関連

業務量、責任、納期、人間関係など、従来から続く職場ストレスも依然として大きな要因です。

ストレスと自律神経症状が直結する理由

現代のストレスは、強い刺激よりも終わりの見えない軽い緊張マイクロストレスが長く続くことに特徴があります。

 

この状態が続くと自律神経は休まる時間を失い、交感神経が優位な状態から戻れなくなります。

 

交感神経が優位になると、身体は常に「身構えた状態」となり、筋肉には無意識の緊張が入り続けます。

 

特に首・肩・背中・腰などの姿勢を支える筋肉は、緩むタイミングを失い、血流が低下していきます。

 

血流が低下した筋肉では、酸素や栄養が行き届かず、老廃物が溜まり、筋肉や筋膜の動きが悪くなります。

 

この状態が続くことで、異常に硬くなったコリ(硬結)が形成されます。

 

問題なのは、このコリが単なる結果ではなく、自律神経を乱し続ける刺激源になることです。

 

硬結が存在すると、筋肉や筋膜の感覚受容器が常に刺激され、その情報は脊髄や脳へ送られ続けます。

 

すると中枢神経は「身体が危険な状態にある」と誤認識し、交感神経優位を解除できなくなります。

 

この悪循環により、動悸・息苦しさ、めまい・ふらつき、不眠・途中覚醒、胃腸の不調、倦怠感・不安感といった自律神経症状が現れ、検査では異常がないにもかかわらず、つらい症状だけが続く状態となります。

 

つまり、自律神経症状は「心の問題」や「気のせい」ではなく、慢性的な筋緊張とコリによって身体側から引き起こされているケースが多いのです。

ストレス反応のメカニズム

ストレス理論では、ストレスの原因となる刺激を「ストレッサー」、それによって引き起こされる心身の反応を「ストレス反応」と定義します。

 

ストレスのきっかけ(ストレッサー)

まず、体や心にとって負担となる刺激が加わります。

ストレッサーの例

・仕事・勉強のプレッシャー

・人間関係

・騒音、暑さ・寒さなどの環境要因

・不安、恐怖、将来への心配

 

これらの刺激を、脳(特に大脳皮質・扁桃体)が「危険」「負担がかかっている」と判断します。

 

脳からの警報(自律神経の反応)

危険を察知すると、脳はすぐに体に指令を出します。

交感神経が優位になり「戦うか逃げるか(ファイト・オア・フライト)」モードに入ります。

 

その結果、以下の変化が起こります。

・心拍数が上がる

・血圧が上がる

・呼吸が速く浅くなる

・筋肉が緊張する

・消化機能が低下する

これらはすべて、すぐに身体を動かせる状態を作るための防御反応です。

 

ホルモンの分泌(ストレスホルモン)

同時に、内分泌系も活性化します。

 

主なストレスホルモン

・アドレナリン(副腎髄質)

 → 瞬間的な緊張・集中力・覚醒を高める

・コルチゾール(副腎皮質)

 → エネルギーを作り出し、ストレスに耐える体制を整える

 

これらの反応は、短期的には生きるために必要で、非常に重要な反応です。

 

回復反応(リラックス)

ストレスが解消されると、次に回復の段階に入ります。

 

・副交感神経が優位になる

・心拍が落ち着く

・呼吸が深くなる

・消化や睡眠が促進される

 

身体は修復・回復モードに切り替わります。

この「緊張 → 回復」の循環が、正常なストレス反応のサイクルです。

 

問題が起きるのは「長期ストレス」

問題は、ストレスが解消されないまま長期間続いた場合です。

交感神経が常にONの状態となり、コルチゾールが分泌され続けることで、身体は消耗していきます。

その結果、以下のような症状が現れやすくなります。

 

・不眠

・慢性疲労

・イライラ、不安感

・集中力低下

・うつ・不安障害

・胃腸障害、頭痛

 

心だけでなく、身体そのものが「消耗状態」に陥ります。これらはすぐ身体が動ける状態を作るための反応です。

 

現代のストレス問題は、「ストレスを感じやすい性格」の問題ではなく、回復できない状態が続いてしまうことに本質があります。

ストレスは悪循環を招く

ストレスがかかる

仕事・人間関係・不安・疲労、脳が「危険・負担」と判断

   ⬇

緊張状態が続く

交感神経が優位(アドレナリン・コルチゾール分泌)

*心拍↑・呼吸浅い

筋緊張

*胃腸・睡眠の質低下

   ⬇

回復できない

*忙しさ・不安で休めない

*睡眠が浅くなる

 

心身の不調が出る

イライラ・不安感・集中力低下

頭痛・胃痛・だるさ

   ⬇

不調そのものが新たなストレスに

 

「また眠れなかった…」

「調子が悪い自分はダメだ」

   自己評価の低下・不安増大

              ⬇

さらにストレス反応が強まる

コルチゾールが出続ける

自律神経が乱れる

 

➡ ❶に戻る(悪循環完成)疲労が蓄積

 

*当院では、この自律神経を乱し続けている根本刺激であるコリ(硬結)に対し、一本鍼治療で直接アプローチすることで、神経が「もう身構えなくていい」と判断できる身体環境を整えていきます。

ストレスは僧帽筋と胸鎖乳突筋の緊張を強める

交感神経の過剰亢進(ストレス反応)

強いストレスを受けると、体はいわゆる「戦う・逃げる反応(fight or flight)」に入ります。

このとき、

・交感神経が優位になる

・心拍数上昇

・血圧上昇

・筋緊張の亢進

が起こります。

 

特に、**首〜肩周囲の筋肉(僧帽筋・胸鎖乳突筋)**は

「すぐ動ける状態」を作るために緊張しやすい部位です。

 

要するに

ストレス=常に戦闘態勢 → 首肩が固まる

 

 ② 防御姿勢(姿勢反射・情動反応)

 

心理的ストレスは、無意識に姿勢にも影響します。

 

例えば、

 

・頭を前に突き出す

・肩をすくめる

・首をすくめる(防御姿勢)

 

このときに強く働くのが、

 

・僧帽筋(肩をすくめる)

・胸鎖乳突筋(頭部の安定・前方保持)

 

です。

 

特に胸鎖乳突筋は、

「不安・緊張・警戒」と強く関連する筋肉です。

 

つまり

ストレス=身を守る姿勢 → 首の前後が同時に緊張

 

 ③ 呼吸パターンの変化(補助呼吸筋の過活動)

 

ストレス状態では呼吸が浅く速くなります(胸式呼吸優位)。

 

すると、本来メインで使う横隔膜ではなく、

 

・胸鎖乳突筋(吸気補助筋)

・斜角筋

・僧帽筋上部

 

などが過剰に働きます。

 

これが続くと、

 

・筋疲労

・血流低下

・コリの形成

 

につながります。

 

つまり

ストレス=浅い呼吸 → 首の筋肉を使いすぎる

 

■ まとめ

 

ストレスによる首肩のコリは、

① 自律神経(交感神経亢進)

② 姿勢(防御反応)

③ 呼吸(補助筋の過活動)

この3つが同時に起こることで形成されます。

 

■ 臨床的なポイント

だからこそ、

・僧帽筋だけ緩めても戻る

・胸鎖乳突筋だけでも不十分

になりやすく、

 

「首の前後+呼吸+自律神経」まで見ないと改善しにくい

という構造になっています。

 

治療のポイントは首、肩、背中をしっかり緩めることです!

ごあいさつ

院長 合木英彦

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